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映画『1001グラム ハカリしれない愛のこと』ベント・ハーメル監督オフィシャルインタビュー

1001グラム ハカリしれない愛のこと

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『ホルテンさんのはじめての冒険』『キッチン・ストーリー』で愛すべきオジサン主人公たちを生み出したノルウェーの名匠ベント・ハーメルの最新作『1001グラム ハカリしれない愛のこと』が、10月31日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国ロードショー。本作は、冷静で感情を表に出すことのない主人公マリエが、1キログラムの不思議なオモリとの旅を通して、人生の新たな心のハカリを見つける心温まる物語。ベント・ハーメル監督が初めて美しい若い女性を主人公に、舞台を北欧からパリに広げて描く。現在、第28回東京国際映画祭の審査員として来日中のベント監督のオフィシャルインタビューが到着しました。
映画『1001グラム ハカリしれない愛のこと』ベント・ハーメル監督オフィシャルインタビュー
──計量を題材にているところがユニークですが、この映画の狙いは何なのでしょうか。
監督:実際にこのパリの国際度量衡局で撮影を行ったのですが、自分自身学ぶためにも何度も足を運びました。ある国は本当にキログラム原器を失くしてしまったという噂を聞いて、おそるおそる職員の方に質問したら「それは本当です」と言っていました。実際の研究者たちはそんな失敗もしたりする普通の人間であって、自分の物語と研究者たちの物語はかなり早い段階で交じりあっていて、結局は人間の話であり、感情や、生きるということを表した映画です。人間というものは、永遠や死といった対処できないものに恐怖を感じ、だからこそ自分たちを計る基準や物差しを求めてしまうのだと思います。この作品は、人はなぜそういったものを求めてしまうのかと掘り下げた映画でもあります。
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── 劇中で印象的であった「人生で一番の重荷は背負うものがないこと」というセリフをはじめ、監督の書くセリフには重みのある言葉がたくさんありますが、これは監督の生活の中から滲み出てくるものなのでしょうか。
監督:私は恵まれた人生を歩んできたと思いますが、みなさんと同じような人生経験もしているし、そういうところが滲み出てきている部分もあると思います。ただ、「人生で一番の重荷は背負うものがないこと」はノルウェーの詩人の言葉で、ある新聞の記事を目にして引用しました。マリエの父の兄弟関係をちょうど言い表していたのと、もっと言えば、この作品の理解につながるような部分があると感じたのです。
── ノルウェーが青色の寒色系で、パリがオレンジなどの暖色系といった美しい色使いが印象的でしたが、どういったことを意識していましたか。
監督:劇中の色使いについては、25年仕事している撮影監督と綿密に計画していて、主人公の心の変化、内なる旅を表すように意識しました。マリエは人生に対して抗っていて、人生の指標になるものにしがみついて生きている。そんな彼女が最終的にパリへ行って人生に対して「イエス」と言うのです。北にあるノルウェーは寒色系、パリは暖色系としてはいたのですが、それよりもこういったマリエの心模様を表現するムードを大切にしました。実際のノルウェーの研究所は北側が赤色で南側が青色という色彩設定をされていてので、北側で撮影する際は赤い柱をわざわざ青に塗らせてもらったりしました。
── 主人公マリエを演じるアーネ・ダール・トルプはいかがでしたか。
監督:アーネは本当にすばらしい役者でした。劇中で笑顔を小出しにしていったほうが娯楽性があったのかもしれませんが、そうではなく、ずっと抑えて演技をし、最後に朗らかになる、ほぐれていく感情を見せるという演出が僕らの判断でした。アーネの解釈したマリエのキャラクターもそうであるとすごく共感してくれました。だから最後の最後までマリエの笑顔は見られないのです。 この映画をつくるまで知らなかったのすが、実は彼女はいくつかの言語を話せるのです。当初パリでのシーンは英語で脚本を書いていたのですが、フランス語で演じてもらうことができて、より良いものになりました。
── 今回、東京国際映画際の審査員として来日されていますが、ご感想はいかがですか。
監督:たくさんの映画を観ること、また短い時間ではありますが世界中から選ばれた、趣味や好みやバックグラウンドが違う審査員とともに映画を観られるというのがとても楽しいです。
4回も来日しているのに、今回京都に2日間訪れた以外は、仕事ばっかりで東京にしかいたことがなかったので、もっと日本のほかの場所に足を運びたいですね。
2015年10月29日
『1001グラム ハカリしれない愛のこと』
2015年10月31日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
公式サイト:http://1001grams-movie.com