ニュース&レポート

『美女と野獣』の音楽を手掛けた名匠アラン・メンケン オフィシャル・インタビュー

美女と野獣/ディズニー デジタル 3D (TM)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイートする
  • Facebookでシェアする
ディズニーの長編アニメーションの中から選りすぐりの作品を最先端のデジタルリマスター技術により蘇らせたブルーレイ限定のブランド「ダイヤモンド・コレクション」に、あの永遠のラブ・ストーリー『美女と野獣』が登場。また、全国の劇場でも、ディズニー デジタル 3D ™として新たな息吹を吹き込まれスクリーンに再登場している『美女と野獣』。本作の音楽を手がけ、第64回アカデミー賞では最優秀作曲賞と歌曲賞を受賞している名匠アラン・メンケンのオフィシャル・インタビューが到着した。
画像:『美女と野獣』の音楽を手掛けた名匠アラン・メンケン オフィシャル・インタビュー
──『美女と野獣」のタイトル曲をはじめ「ひとりぼっちの晩餐会」、「愛の芽生え」、「ベルのひとりごと」など、一連の曲を作曲する中で、特別なエピソードを教えてください。
アラン:『美女と野獣』の曲にはどれも、本当にたくさんの思い出があります。

「朝の風景」を作曲した時は、ある部分はモーツァルトを、そしてある部分は、ミュージカル「シー・ラブズ・ユー」のにぎやかさを思い描いていました。作曲した当時は、アニメ作品向けにユニークな曲を作ろうという強い気持ちを常に持っていました。デモが完成してディズニーに送ろうという時、ハワード・アシュマン(作詞家)は、「僕たちは一体何を考えているんだろう。ディズニーは、6分間ものオープニングソングを望んでいないだろ?」と、送るのをためらっていました。

画像:『美女と野獣』
「ひとりぼっちの晩餐会」に取りかかっていた時、僕はハワードに、「君に、とてつもなく"バカバカしい曲"をあげよう。その曲に詩をつけてくれるかい。それを元にして、実際の曲を作るから」と言ってメロディーを渡したら、彼はそのメロディーに詩をつけてきたんです。僕は「素晴らしい!じゃあ、その"バカバカしい曲"とおさらばして、『本物』の曲を作るぞ」と叫びました。そして僕は、いい曲を作ろうと奮闘したんですが、彼に与えた、その“バカバカしい曲”を変えられなかった…。そんな風に「ひとりぼっちの晩餐会」は完成しました。

「強いぞ、ガストン」の場合は、ハワードが僕の目の前で詩をつけていきました。息もできないほど笑い転げたものです。 'I use antlers in all of my decorating,(飾りにはすべて角を使う)' とか、 'every last inch of me's covered with hair.(僕の体は、すみずみまで毛で覆われている)' なんて言葉がおかしくて、ハワードらしくて、すごく愉快でした。

メインテーマは、おそらく僕が手がけた曲の中で最も苦労した曲です。ものすごくシンプルにする必要がある上に、映画の中だけでなく映画の外でも楽しめる曲が期待されていたからです。非常に多くの時間を費やして、何時間もメロディーや構成の手直しを続けて、ようやく曲を完成させました。
──製作から20年たった今も『美女と野獣』の映画と音楽は世界中の人々に愛されています。その理由は何だと思いますか?
画像:『美女と野獣』
アラン:そうだね、この映画は、ディズニーのミュージカルアニメ作品の中でも、おそらく最も分かりやすくロマンスを描いた作品だと思います。恋愛をテーマにしていて、ヒーローは野獣でヒロインは読書好きでロマンスに憧れている。彼女にとって、野獣と恋に落ちるなんて思いもよらないこと。私の知る限り、他の映画にもロマンスはありますが、ストーリーには、夢や希望がベースにあります。でも、『美女と野獣』では、こうした二人が恋に落ちることが全てなんです。
──『美女と野獣』の中で、お気に入りのシーンを教えてください。
画像:『美女と野獣』画像:『美女と野獣』
アラン:困ったな、何から話したらいいでしょう。プロローグは大好きです。ステンドグラスの窓を背景にした美しいシーン。ベルがコテージで歌う、名作のようなオープニングも気に入っています。彼女のお父さんと発明品のシーンで、お父さんが森に出かけるところ。とても名作らしい雰囲気が漂っています。「ひとりぼっちの晩餐会」のシーンは、アニメーターの想像力が素晴らしい。狼に襲われるシーンは、映画中盤の暗くて恐ろしい場面で、映画に絶妙なバランスをもたらしていると思います。それからベルが禁断の塔に入り、クモの巣がはびこって数十年も使われず、誰も住んでいないような寂れた場所を目にするシーンも好きです。そこで彼女は、野獣になった青年の絵に出会う。ベルと野獣が、互いに惹かれあっていることに気づくところも素敵だし、その後で彼女のお父さんが苦境に陥っていることを知り、離ればなれになるシーンも。ベルは彼のもとを去る決心をし、野獣が「行きなさいと」告げる。彼女が去る前のベランダでのシーンは、趣があって、とてもロマンチックで美しい。そして僕がとても感動した瞬間は、野獣が息絶える場面です。その後でよみがえることは分かっていても、このシーンのために曲を作ったこともあって、僕には特別な場面です。ジェフリー・カッツェンバーグ(当時ディズニー・スタジオ会長)が曲の修正を何度も要求してきたこともあって、とても情熱的で、悲しく、野獣の死にせつないほど調和する曲になったと思います。
──本作に関して、特に思い出深いエピソードを教えていただけますか?
アラン:僕は妻のジャニスと一緒に、フロリダで初めてこの映画を上映した会場でラストシーンを見ました。僕たちは二人ともハワードの長い友人で、彼のことが大好きでした。映画の最後に彼への追悼メッセージが映し出されるのを見て、彼がもういないことを改めて悟って絶望的な気持ちになりました。

(アカデミー賞の)歌曲賞だけでなく、映画自体も作品賞にノミネートされたことを知った時には、信じられないと思いました。

ジェフリー・カッツェンバーグが「この作品をブロードウェイに持ち込む」と言った時も驚きました。この映画はブロードウェイの批評家たちにも絶賛されていましたから、全くあり得ないことではないのですが、本当に実現するなんて考えたこともなかったのです。
画像:『美女と野獣』画像:『美女と野獣』 『美女と野獣 ダイヤモンド・コレクション』
発売中
・<ブルーレイディスク2枚組/セル用>
価格: 3,800円(税抜)/ 3,990円(税込)


──ブルーレイにより、『美女と野獣』は今、美しい映像と音声とともによみがえりました。ブルーレイ版を最初にご覧になった時の印象を聞かせてください。
アラン:新しいブルーレイ版(新たにデジタル修復されたバージョン)を見た時は、テクノロジーのすごさに圧倒されるばかりでした。実際のところ、テクノロジーというより、生まれ変わったビジュアルやキャラクターの美しさに感動したといったほうがいいでしょうか。まさに映画が生まれ変わった気がしました。

これまで見たことのなかったハワードについてのチャプターが映像とともに収録されていて、とても感動しました。僕とドン・ハーン(プロデューサー)、僕のエージェントとのインタビューも。僕たちは曲についてや一般的な話、あまり軸をぶらさない能力などについて楽しく話していて、映画についても分析していました。『美女と野獣』が今、新たな技術革新の恩恵を受けるメディアとなったことを知ることができたのは、とても特別なことです。

楽しくて不思議な世界ですし、個人的にはたくさんの思い出をよみがえらせてくれました。感動します!
──この映画をブルーレイでご覧になる人々に向けて、メッセージをお願いします。
アラン:ブルーレイ版では、素晴らしい手法によって、新たな命が吹き込まれていますが、それは、この映画を暖かく迎えてくれる本当のファンがいるからこそ実現したことだと思います。ブルーレイ版を見てくださる皆さんが、『美女と野獣』を作品としてよみがえらせ、再び力を与えてくださることに感謝します。
──これまで、ディズニー作品のために数多くの曲を作られていますが、あなたにとって「ディズニー」とは?
アラン:ディズニーは僕の音楽を、時を超えた物語、子供たちの夢、真に文化に触れるメッセージへと結びつける機会なんです。ディズニー作品に関われることは、僕にとって本当に名誉なこと。ディズニーと長年仕事をしてきた今も、小さな子供だった頃と同じようにディズニーに畏敬の念を感じるし、そのこと自体、厳粛な気持ちになります。それでいて、信じがたいことに、僕はディズニーの伝統のなかで大きな役割を果たさせてもらっている。予想もしなかったことだし、とても身の引きしまる思いがします。
2010年10月13日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
『美女と野獣 ディズニー デジタル 3D』
2010年10月9日(土)全国のTOHOシネマズ、シネマイクスピアリ他にて3D限定公開
公式サイト:http://Bijo-Yaju.jp