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キルスティンが「演じたい」と言ってくれてホロッ(笑)──『バチェロレッテ —あの子が結婚するなんて!—』レスリー・ヘッドランド監督インタビュー

バチェロレッテ —あの子が結婚するなんて!—

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結婚することになった“おブスな”友達に焦る独身女性3人が巻き起こす騒動を描いたコメディ・ドラマ『バチェロレッテ —あの子が結婚するなんて!—』が、2月22日より公開。オフブロードウェイで大きな反響を呼んだ舞台劇をもとに、演出を手がけたレスリー・ヘッドランド監督が自ら映画化。3人のバチェロレッテには、『マリー・アントワネット』のキルスティン・ダンスト、『127時間』のリジー・キャプラン、『お買いもの中毒な私!』のアイラ・フィッシャーが扮し、30代独身女性の本音をリアルに体現する。本作で初メガホンをとったヘッドランド監督が来日し、インタビューに応じてくれました。
キルスティンが「演じたい」と言ってくれてホロっとしたわ(笑)──『バチェロレッテ ―あの子が結婚するなんて!』レスリー・ヘッドランド監督インタビュー
──この映画はもともと7つの大罪の「暴食の罪」をテーマにした舞台劇だそうですが、舞台劇と映画ではテーマが違ったのですか?
監督:大分違うんです。芝居の方は、多少コメディ要素はあるけど悲劇的でダークで、キャラクターに対しても批判的だったの。でも予想外に笑いが起こって、映画化するときは、より楽しいものにしようと思ったの。個人的にはお芝居は挑戦的で強烈なものが好きだけど、映画はアップダウンがありつつも最後には満足感が得られるようなものが好き。自分の好きなタイプがそれぞれに反映されているの。でも、キャラクター自身は芝居も映画も変わってないわ。
──ご自身は劇作家として活躍し、今回は映画の初監督。この挑戦は初めから想定していたのですか?
監督:なかなか大声では言えなかったけど(笑)。映画はもともと好きで、実は原稿を書く前に映画業界でアシスタントとして働いて、脚本もたくさん読んでいたの。その時も、映画を作りたいという思いはあったけど、あまりにも多くの企画が頓挫していくのを見ていたから、「私、映画監督を目指しているの!」なんて言えなかったのが本音よ。だからこのチャンスは本当に自分でも驚き。せっかく一本目が作れたから、これからも作っていきたいと思うわ。
──この企画は、俳優のウィル・フェレルさんと監督のアダム・マッケイさんに見いだされたんですね。現場で何かアドバイスしてくれたんですか?
監督:ウィルの場合、彼自身からアドバイスを受ける感じではなくて、まるでチアリーダーのように応援してくれたの(笑)。「君は生まれついての監督だ!」とか、あのウィルが言ってくれるのよ!「何でも出来る!」って気にさせられて、素晴らしいサポーターだったわ。アダム・マッケイのほうは、彼自身が監督だから、映画作りや演出、進め方についてアドバイスをくれたわ。ウィルが現場に来ると、役者がナーバスになって、マッケイがくると私が汗だくになる。そんな感じだったの。
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──主人公のレーガンは強くて美しく魅力的ですが、万人に愛されるキャラクターではないですよね。演じたキルスティン・ダンストさんの起用について教えてください。
監督:彼女と一緒に食事をした時、脚本の感想の前に、キャラクターについてどう思うか聞いてみたの。そうしたら「レーガンが大好き」って言ってくれたわ。レーガンは文字上では、なかなか愛しにくいキャラクターなのに。その時はキルスティンより先に、他の2人のキャスティングが決まっていたんだけど、「私がこの中で演じたいのはレーガンだから、他の“ビッチ”が決まっていて良かったわ!」って言ってくれたのよ(笑)!そこまで言ってくれたらキャスティングするしかないでしょ?

この映画の企画を色んな人に見せた時、「一番の問題は、主人公が好ましくないってとこなんだよ」って言われることが多かったから、彼女が「演じたい」と言ってくれた時は思わずホロっとしたわ(笑)。もともとキルスティンのファンだったから。
──その二人の“ビッチ”を演じたアイラ・フィッシャーさん(ケイティ役)とリジー・キャプランさん(ジェナ役)については?
監督:アイラは古き良きハリウッドの女優のような資質を持っているの。マリリン・モンローのようで、ちょっと言い方は悪いけど、頭が悪そうで可愛らしい、天真爛漫な女性よ。でもこれは賢くないと演じられないの。特にケイティは、台詞がない時を見ていると素晴らしい演技をしているの。例えば、ドレスのお店を出た後、みんな走ってるけど、彼女は何故走ってるかわからないけどみんなが走ってるから…って走ってる。ちょっとした会話もあまり意味がわかってない。それが全部顔に出てるの(笑)。そこが彼女の素晴らしいところよ。

リジーは、彼女自身がとてもクールでスタイリッシュ。ジェナは、私自身がこういう女の子になりたいって思って書いたキャラクターなんだけど、実際にジェナそのものに会ってしまったので、キャスティングしなければ!って思ったの。
──憧れがジェナならば、共感するのはどのキャラクターですか?
監督:しょっちゅう変わるけど、最近はレーガンね。仕切り屋で、映画の最後のほうはみんなをコントロールしながら、同時に起きているドレスやケイティの問題の始末を考えて、二つの世界を行ったり来たり(笑)。友だちには脆さを見せつつ、一方でリーダーとしての顔を見せなければ!って思うから、その心情がすごくわかるわ。
──3人の女性は、これまでの人生の中で結婚を重要視していなかったけど、ベッキーの結婚で初めて立ち止まって考えていますね。これは監督自身の結婚感が反映されているんですか?
監督:その通り(笑)。この中のキャラクターと全く同じなの。普段は全然考えてないけど、近しい人が結婚すると、真剣に考え始めるの。一週間ぐらいね(笑)。お葬式みたいなもので、命の尊さとか自分の人生しっかり生きなきゃ!とか考えちゃうけど、終わってしまうと、そんなことすっかり忘れちゃうの。いつかは結婚するのかな…と思うけど、今のところToDoリストには入ってないわ(笑)。
──初監督作を手がけるにあたって、参考にした映画はありますか?
監督:カメラマンや美術、衣装のスタッフと参考にしたのがいくつかあって、まずひとつはビリー・ワイルダーの『アパートの鍵貸します』。コメディの瞬間がありつつ、それ以外のドラマの展開も好きなの。あとマーティン・スコセッシ監督の『アフター・アワーズ』。これも非常に低予算で、NYの夜を舞台にして撮られた作品で、とても参考になったわ。あとピーター・ボグダノヴィッチ監督の1972年のスクリューボールコメディ『おかしなおかしな大追跡』。ホテルを舞台にした作品だけど、後半部分はかなり参考にしたの。あと、ペドロ・アルモドバル監督の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』も、色彩やトーンを参考にしたわ。
──アメリカでも日本でもたくさん取材を受けたと思いますが、男性の反応で面白かったことはありますか?
監督:映画が出来上がってからよりも、開発中に企画を見せた男性プロデューサーのコメントが一番笑えたわ。もちろん今回は関わってないけど、「確かに女性はこんな会話をするけど、お金を出してまで見る人はいないよ」って言ったの(笑)。そう思わないで受け入れてくれる製作者に出会えたから映画が完成したけど、本当に幸運だったわ。
──最後に、これからご覧になる方にメッセージをお願いします。
監督:やり過ぎなシーンもあって度肝を抜かれるかもしれないけど、作っている我々がすごく楽しんだ作品です。スタッフ・キャストのそんな気持ちが伝わってくると思うので、たまらなく楽しい映画体験になると思います。是非観てください!
2013年2月15日
『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』
2013年2月22日(金)から、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー