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徳井君を通して監督の演出が見れたのが気持ちいい──『莫逆家族 バクギャクファミーリア』村上淳インタビュー

莫逆家族 バクギャクファミーリア

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「週刊ヤングマガジン」で連載され、累計発行部数400万部を誇る田中宏原作のコミックを映画化した『莫逆家族 バクギャクファミーリア。人気お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実が主演を務める本作は、10代の頃にレールをはみ出した不良たちの、その後の人生を描いたヒューマン・ドラマ。30歳を超えた伝説の不良たちがある事件をきっかけに、不器用ながらも「家族」を守るために再結集し新たな絆を築きあげる。共演には、阿部サダヲ、大森南朋、玉山鉄二、新井浩文、北村一輝、井浦新、村上淳ら日本映画界を代表するオールスター・キャストが勢揃い。本作で、主人公・火野鉄の宿敵として、クライマックスで鉄と壮絶なガチ対決を繰り広げる村上淳にインタビュー。自身の役どころや共演者について語って頂きました。
徳井君を通して監督の演出が見れたのが気持ちいい──『莫逆家族 バクギャクファミーリア』村上淳インタビュー
──主人公・火野鉄の宿敵という役柄でしたが、ご自身の演じた「五十嵐」をどんな人物だと思いましたか?
村上:人間って、10代の頃はアウトローであっても、歳をとるにつれて友達や知り合いが増えたり、社会的マナーも身について孤独で居続けることもなくなり、だんだん社会に適合していくと思うんです。でも、五十嵐という人物は、最初から適合するつもりはない。お祭り騒ぎも終わっているのに、一人だけ夢から覚めない、というか覚ます術を知らないんですね。
──劇中で豹変して行く姿は鮮烈でした。どのようにキャラクターを作っていったのですか?
村上:原作もあるし、基本は脚本に沿って作業していますが、映画の現場って絶対的に「生きもの」で、常に変化するし、脚本に沿っていても現場で生まれてしまう事ってどうしてもあるんです。五十嵐に関しては、特にクライマックスのほうでペンキをかぶるとか、監督や美術の方、衣装、メイクさんと相談しながら、ビジュアル面でもどんどん現場で足していきました。
──あれだけエキセントリックな役柄だと、現場での気持ちの切り替えが大変そうです。
村上:20代の頃だと、演じる役柄を徹底的に自分に憑依させるというアプローチしか出来なかったけど、ある程度キャリアを積んで色んな役柄を演じてくると、キャラクターとの闘いになってくるんです。特に五十嵐に関しては、本番で五十嵐が跳ねる、本番が終わったら僕が抑える、また本番で解き放つ…という作業が行われていました。憑依させるだけでは逆に収まってしまうと思ったので、五十嵐が安定したなと思ったら現場で新しい提案をして足したり、より制御不能なところまで五十嵐を持っていきながら、闘っていました。
──今回の共演者は錚々たるメンバーですね。共演してみていかがでしたか?
村上:トップで居続けている素晴らしい俳優たちですよね。このメンツが当たり前のように集まってひとつの映画になっている。凄いことだと思います。徳井君も、彼以外では考えられないほどでした。現場では、徳井君を通して熊切監督が見えてくる、つまり、監督の演出が見えてくるというのが、観ていて気持ちよかったです。
──今作の熊切監督もそうですが、今年の出演作は園子温監督や石井岳龍監督など、国内外で評価の高い監督や作品への出演が多いですね。次の主演作『Playback』はロカルノ映画祭に出品されています。
村上:たまたまだと思いますが、嬉しいことですね。数年先でも俳優を続けていると思いますが、2012年は何かの節目になっていくんじゃないかと思います。熊切監督とは3度目ですが、今度はもっとガチで行きたいと思ってるし、また呼ばれたらジャンル問わず、脚本も見ずに決めると思いますよ。
──村上さん自身は映画が大好きだと伺っていますが、ご自身で映画を作ることは?
村上:それはないっすね(笑)。昔から好きな監督やカメラマン、衣装、照明、録音とか、「このスタッフさんと一緒にやりたい、こんな役を演じたい」というのはありますけど、撮りたいものがあるわけじゃないので、監督は考えていないですね。
──では映画好きな村上さんが、最近注目している作品や役者さんはいますか?
村上:僕、三池監督の『愛と誠』を映画館で5回観たんですけど(笑)、武井咲さんが素晴らしかったですね。僕の家にはテレビがないのでスクリーンを通してしか彼女を知りませんが、武井さんがスクリーンに入ってきた時の輝きに驚きました。『るろうに剣心』も観ましたが、抜群でしたね。昨年では『東京公園』の榮倉奈々さん。スクリーンにおける女優さんには常に注目していて、ドキドキしたり素敵だなとか格好いいなとか思いながら観ています。

最近は、特に女優さんが光っている作品が多いなと感じていたので、『莫逆家族』は稀ですよね。いい歳した“おっちゃん”が必死に突っ走っていて、ツルっとした顔じゃない(笑)。そんな男たちの顔がスクリーンに映っているのが嬉しかったです。僕はもう2回観たんですけど、これから皆さんにどう受け止めてもらえるか楽しみです。
──最後に、これから『莫逆家族 バクギャクファミーリア』をご覧になる方にメッセージをお願いします。
村上:男ばっかりの映画ですが、表面的な暴力性とか気にせずに楽しんでいただきたいです。ジャンルムービーに見えるけど、決してそれだけじゃなくて、生きることの本質がスクリーンの少し奥に映っているので、劇場でお楽しみください。
メイク:IZUTSU(impress+)
衣装協力:waste(twice)
2012年8月27日
『莫逆家族 バクギャクファミーリア』
2012年9月8日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://bakugyaku.com/