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映画『ブレス しあわせの呼吸』アンディ・サーキス監督 オフィシャル・インタビュー

ブレス しあわせの呼吸

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1950年代にアフリカでポリオに感染した父親のロビン・カヴェンディッシュとその妻ダイアナの激動の半生を、その息子で『ブリジット・ジョーンズの日記』や『エリザベス』の製作者ジョナサン・カヴェンディッシュが自らプロデュースし映画化した『ブレス しあわせの呼吸』が公開中。本作で念願の長編監督デビューを果たしたモーションキャプチャーの名優アンディ・サーキスのオフィシャルインタビューが到着しました。
映画『ブレス しあわせの呼吸』アンディ・サーキス監督 オフィシャル・インタビュー
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──監督を務めたいと思った“想い”について教えてください。
アンディ・サーキス:脚本を読んだ時、目を泣きはらしたんだよ。そしてある日、絶対にこの監督を務めたいとジョナサンに言ったんだ。ザ・イマジナリウム(サーキスと本作プロデューサーのジョナサン・カヴェンディッシュが共同で立ち上げた製作会社)はまだ始まったばかりで、僕は『ホビット』のセカンドユニットの監督の経験しかなかった。だからジョナサンは、「うーん、どうかなあ」と言って断ってもおかしくない状況だったんだ。でも彼は断らなかった。彼は、「それはいい考えだ」って言ってくれたんだよ。

僕は人生で、障害がある人たちの世界と多くのつながりがあったんだ。母は僕が小さい頃、障害がある子供達の先生をやっていた。僕が出演した映画『Sex & Drugs & Rock & Roll(原題)』をジョナサンも見たことがあって気に入ってくれたんだけど、僕はその中で、歌手イアン・デューリーの役を演じている。イアン・デューリーはポリオ患者であったことでよく知られているよね。また、僕の姉は多発性硬化症を患っていて、もう10年間も車椅子の生活なんだ。僕の父は医者だったから、医療関係のことが周囲にいつもあった。母の生徒で、ポリオを始め、二分脊椎症やサリドマイドなどに苦しむ人たちを多く知っていたよ。

この脚本のすごいところは、とても素晴らしいラブストーリーだというだけでなく、実話に基づいている上に、ユーモアも含まれていることだ。また、ロビンとダイアナが先駆者であったということにも僕は心を動かされた。姉は今現在も車椅子生活で苦労している。けれども、生存の確率がほぼゼロに近かった1960年代に病院から出る決意をし、人生を作り出し、自分が生き残れるようにテクノロジーを発明し、いつの時にもいつ死んでもおかしくない状況の中で生き続けることを選択したって言うこと自体がすごいことなんだってね。

僕は山登りをするんだけど、ロビンが達成したことは、自分の家の裏庭でエベレストに登るようなものなんだ。そして、ロビンの後に続いて、人工呼吸器につながれながらも病院を出た人たちがいた。彼らはのちに“responaut”(人工呼吸器がないと生きていけない人たち)と呼ばれるんだけど、ロビンとダイアナは、いつの時にも先駆者だったんだ。
──本作のビジョンを教えてください。
アンディ・サーキス:初めて脚本を読んだとき、他のみんなと同様に、僕も感動した。そして、この物語のさまざまなことに思いをめぐらせ激しく心を揺さぶられたよ。この物語は“切り開く”ことの意義も描いていると思う。キャラクターたちは誰もやったことがないこと、誰も実現させていないことに挑んだ。そして大切なことを我々に遺してくれた。

またこの物語は、死と隣り合わせで暮らす人間の姿も描いている。漫画家のヒース・ロビンソンが用いた手法を変化させたようなアプローチを取っている。僕は、ジェームズ・マーシュ監督の『マン・オン・ワイヤー』に多大なインスピレーションを受けている。この映画は、フランスの大道芸人のフィリップ・プティが、ワールド・トレード・センターのツインタワーの間に鋼鉄のワイヤーを渡し、その上を綱渡りした実話だ。プティにも支えてくれた仲間たちがいた。許可なく綱渡りをするのは違法であるし、強盗映画の要素が強いが、僕の見方では、これは、変わり者たちが自分の人生を生きていくために、奇想天外な方法で自分を表現し、偉業を達成した話だと思う。
──アンドリュー・ガーフィールドとクレア・フォイについて教えてください。
アンディ・サーキス:アンドリューはカメレオン俳優であり努力家だ。ロビンや周囲の人たちの映像を集めて、しっかりと研究していた。準備段階と撮影段階で、ロビン役にどっぷりと浸かったんだ。撮影現場では、他のクルーとはあまり関わらずに一人で過ごしていた。また、ロビンが呼吸器をつけたままで話すようになった過程をしっかりと研究していた。あらゆる段階を研究して、どう演じるか模索したんだ。ロビンの言葉は呼吸器のリズム同じだったから、リセットの度に一瞬止まる。だから言葉表現はとても興味深いものだったんだよ。またアンドリューは、若くて元気いっぱいの健康なロビンを演じるために、テニスとクリケットの練習もした。運動が得意なロビンと同じようにやりたかったんだね。

クレアはいい意味でまだ、色が付いていない女優だ。そんな彼女が、本作でダイアナというキャラクターと出会った。もちろんリサーチはしただろうが、クレアはダイアナの本質をしっかりと捉えていた。撮影が始まり、アンドリューと夫婦になっていくんだが、役柄とは言え、あれほど深く強く結びついている2人を、僕は見たことがない。尊敬し合い、思いやり合い、演技の上だけでなく、一個人としても、2人の相性は抜群だった。だからあれほど深く強い絆が生まれたんだ。現場にいた誰もが、そんな2人に心を奪われていたよ。みんな毎日、カメラの後ろで泣いていた。でもジョナサンは冷静だった。意外なことにジョナサンが最も客観的で、モニターから離れて涙を見せないように外に出ていったのは、ほんの3回ほどだったと思う。

本作には心を打たれるシーンがたくさんある。でも愉快なシーンもたっぷりある。クレアもアンドリューもそんな本質を捉え、役柄に自然に入りこみ、絆を深めていった。息をのむほど見事な演技だよ。出会いのシーンから、2人に魅了される。本作は、2人が共に歩んだ1958年から1981年という長い年月を描いている。俳優にとっても大きなチャレンジだったはずだ。どのキャストも長い年月を演じなければならず、特に2人は出ずっぱりなので、なおさら大変だったと思う。
──本作のトーンについて教えてください。
アンディ・サーキス:本作は過度にセンチメンタルな、病人のお涙頂戴物語じゃない。その逆なんだ。笑いに満ちている。ジョナサンとウィリアム・ニコルソンと僕は、主人公のロビンが自分で人生を選んでいく物語にしたかった。“人生に飛びこんでいく”という表現がぴったり合うような物語にね。病気であっても、亡くなった後でさえも、ロビンは周囲の人々を明るくしてるんだ。大笑いするようなエピソードが、いくつもある。すべて実話だ。本作で描かれている出来事はすべて、ほぼ事実で、おまけにとても愉快なんだ。これほど愉快な出来事は、想像では書けないよ。だから気持ちを明るくしてくれる映画なんだ。病人がひたむきに生きる姿を、過度に持ち上げるような映画ではない。逆境を生き抜く人々を描いているが、楽しさも喜びも、愛も笑いもあり、もちろん涙もある。それらが絶妙なバランスで混ざり合ったトーンの作品にしたかった。

ロビンの人生は、ナイフの刃の上に、かろうじて載っているようなものなんだ。人工呼吸器に不具合が生じれば、ロビンは2分と生きられないんだからね。それに、ロビンは真のパイオニアだ。本作のもう1つの見どころは、そこなんだ。ロビンが挑んだのは、病院という制限から抜け出すこと。それはまるで刑務所から抜け出すようなもので、どんな危険を冒しても自由になることを選んだんだ。大きなリスクがあっても、自分で人生を選ぶからこそ、楽しくもあり、危険もありの人生になる。


『ブレス しあわせの呼吸』感想投稿キャンペーン
~映画の感想を投稿して、豪華賞品をゲットしよう!

参加方法:特設ページの記入フォームから投稿・応募できます。
実施期間: 2018年9月7日(金)〜2018年10月31日(水)
賞品概要:
 ①アンドリュー・ガーフィールド主演作『アンダー・ザ・シルバーレイク』(10月13日公開)ムビチケ 3名様
  ※こちらのみ応募期間は9月30日(日)までとなります
 ②アンドリュー・ガーフィールド主演作 『沈黙 -サイレンス-』ブルーレイ 2名様
 ③ 『ブレス しあわせの呼吸』 オリジナル・サウンドトラック 3名様
 ④ 『ブレス しあわせの呼吸』 オリジナル抗菌マスクケース(非売品) 5名様
2018年9月12日
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『ブレス しあわせの呼吸』
2018年9月7日(金)角川シネマ有楽町他全国ロードショー
公式サイト:http://breath-movie.jp