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映画『バハールの涙』エヴァ・ウッソン監督 オフィシャルインタビュー

バハールの涙

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捕虜となった息子を助け出す為、銃を取って立ち上がったクルド人女性と、片眼の戦場ジャーナリストの“真実”の物語『バハールの涙』が、1月19日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー。本作のメガホンをとったエヴァ・ウッソン監督のオフィシャルインタビューが到着した。
映画『バハールの涙』エヴァ・ウッソン監督 オフィシャルインタビュー
──この映画を作ろうと思った理由は?
監督:私自身、フランコ政権と戦ったスペイン共和国兵士の孫娘として、“失われた理想”にとても興味がありました。スペインの内戦後、祖父も滞在していたフランスに亡命したスペイン人の収容所に関する、あるプロジェクトに06年から取り組んでいました。そこで生じたであろう集団的、また個人的なトラウマに興味を持っていました。クルド人の女性戦闘員たちの話を聞き、この題材について掘り下げた時、クルド人兵士の、自らの土地のための先の見えない戦いが私の家族の物語と共鳴したのです。この現代的な悲劇を通じて、私が以前から構想していたストーリーを表現する手段を見出したのです。過激派に捕らわれ、おぞましい状況から何とか逃げ出して、その後、拉致した者たちに戦いを挑む女性たちの物語から大きなエネルギーが発せられていて、私個人を超えて、広く語られなければならないと思いました。
──映画の準備のためにクルド人自治区で、誰に会いましたか?
監督:自治区ではできるだけ多くのクルド人の派閥に会おうとしました。過激派には会おうと思いませんでした。彼らは私の主題ではありませんから。その代わり、逃げ出してきた女性たちの証言を得るため、前線と難民キャンプへ行きました。戦いに身を投じた女性たちにも会いました。ゴルシフテ・ファラハニが演じた主人公は、彼女たちの証言から作り上げられたのです。私が彼女たちと持つことができた非常に強い絆と共感が生んだ成果でもあります。14回もの人身売買を経験したある女性が、そうとは信じがたい優しさと強さを持って語る時、誰もが悲劇と苦痛についての自分自身の考えや信念について自問するはずです。戦争についての典型的なイメージが破壊されるんです。この経験を脚本に反映し、映画に密度を与え、一貫した世界観をもたせた上で、私自身の主観を入れ込みたいと思いました。
映画『バハールの涙』エヴァ・ウッソン監督 オフィシャルインタビュー
──戦場ジャーナリストが脚本に加わりましたね。なぜですか?
監督:いくつかの理由があります。この女性ジャーナリストは、観客に代わって世界を見る目となります。女性戦闘部隊のリーダーが明かすいくつかの物事は、この状況では語るだけでは説明が不可能であり、ジャーナリストが主人公のスポークスマンになるのです。ジャーナリストの存在はまた、私に「戦争における女性」の意味を考えさせてくれました。女性の戦争リポーターとして、彼女は戦闘地における女性のアイデンティティという内的な視点と、外部の視点も持ち合わせています。象徴的な二人の女性戦争ジャーナリストから多くのインスピレーションを得ました。戦地で左目を負傷し黒い眼帯を巻いていたメリー・コルヴィンと、文豪アーネスト・ヘミングウェイの3番目の妻で従軍記者として1936年から活動したマーサ・ゲルホーンです。彼女はスペイン内戦について素晴らしい記録を残して、82歳まで現役でした。
映画『バハールの涙』エヴァ・ウッソン監督 オフィシャルインタビュー
──戦場ジャーナリストという職業についてなぜここまで掘り下げる必要があったのですか?
監督:戦場で自分の弱さを感じるのはなぜかということを理解することが重要だったんです。恐怖のフィクション的な表現を壊し、恐怖の根源に向かい、隠されたメカニズムを理解し、どこかで見た映画をリサイクルすることがないようにしたかった。「私たちはいつ恐怖を感じるか?」戦闘地域に行った時、私自身が恐怖を感じて学んだことがあるとすれば、合理的には理解できないということ。恐怖心が芽生える時、皆それぞれが自分なりの反応を示すということです。架空の人物にそれを投影はできません。恐怖がどのように作用するのかを理解するには、深く掘り下げ、人々の話を聞くしかないのです。ジャーナリストたちにとっては当たり前のことでも、私にはすぐには分からなかった。
──どのように資料を集めたのですか?
監督:一つの世界を語るのには幾千もの方法があります。膨大な映像資料を集め、広範囲には目を向けず、いくつかの点にのみに集中しました。舞台装飾のダヴィッド・ベルザネッティのおかげでもあります。多くの情報を溜め込んだ後、ある時、主軸となる線を信じることにしました。すべてが本物そのままというわけではないけれど、全体としては適切であり一貫していると思います。クルド人元兵士の顧問は私たちに多くの必要不可欠なディティールを教えてくれました。夜、睡眠時には武器をどうしておくのか、どのように彼らの生存本能が働くか、それから力関係などです。
2019年1月17日
『バハールの涙』
2019年1月19日(土)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
公式サイト:http://bahar-movie.com