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重要なのは感情をシェアし理解しあうこと──『キリング・フィールズ 失踪地帯』アミ・カナーン・マン監督インタビュー

キリング・フィールズ 失踪地帯

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クロエ・グレース・モレッツ、サム・ワーシントン、ジェシカ・チャステイン、ジェフリー・ディーン・モーガンなど旬なキャストが共演する映画『キリング・フィールズ 失踪地帯』(4/14公開)。『ヒート』『コラテラル』のマイケル・マン プロデュースのもと、実娘のアミ・カナーン・マンがメガホンをとった本作は、テキサスに実在する犯罪多発地帯で起こった実話をベースに、事件の捜査にあたる殺人課の刑事たちの苦悩や葛藤を描いた重厚なクライム・サスペンス。本作の公開を前に、アミ・カナーン・マン監督がインタビューに応じてくれました。
重要なのは感情をシェアし理解しあうこと──『キリング・フィールズ 失踪地帯』アミ・カナーン・マン監督インタビュー
──これまで脚本家としてキャリアを築いていますが、今作でメガホンをとりたいと思った最大の理由は?
監督:脚本家から始めたけれど、監督をしたいという思いはずっとありました。この映画の脚本は、もともと父(マイケル・マン)とドン(・フェラローン/脚本家)が数年温めてきたものだったけど、脚本に添えられていた調査レポートを見て、何としても世に出したいと思ったの。

問題のエリア(キリング・フィールズ)では、現在まで多くの犠牲者が発見されていて、犯人はあらゆる時代のあらゆる人間。そこには、犯罪が可能だと感じさせる普遍的な誘惑があったと思うの。この物語なら興味深い方法で、重要な問題提起が出来るかもしれないと思ったわ。
──1960年代までさかのぼり、多くの事件を調べたそうですが、構成するにあたってどんなところに重きを置いたのですか。
監督:実際に50ぐらいの事件をもとに練り上げたストーリーだけど、脚本家が凄くこだわっていたのは、刑事の視点から全体を見ること。細かいディテールは実際の事件に基づいていて、例えば指紋が流されたり、若い女の子が実は娼婦だったとか。題材となった出来事や舞台は現実のものだから、殺人課の刑事や薬物中毒者にも話を聞いたし、刑務所や死体安置所も訪問したわ。私もキャストも事実を尊重して可能な限り理解を深めたわ。
──それだけの事件をリサーチしていると滅入りませんでしたか?
監督:今回のリサーチでは、キャストやクルーも含め、皆がそこからくる感情をシェアし、解りあえることが大事だったの。だからこそ映画に信憑性が出てくるし、事件の被害者に報いることができると思った。滅入るというよりは、もっとリサーチして、もっと色んな事実を集めないと…という思いのほうが強かったわ。
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──主人公である二人の刑事、ブライアン(ジェフリー・ディーン・モーガン)の哀愁と、マイク(サム・ワーシントン)の血気盛んな若者の魅力、どちらも素敵でした。
監督:この2人の役柄のコントラストはとても大事にしていたの。コンビだけど、仕事に対しても人生に関しても違った哲学や意見を持っているのを際立たせたかった。サムは、カウボーイのようなマイクのイメージに若々しいエネルギーを与えてくれたし、ジェフリーは寛大で共感が持てるような魅力を出してくれたので、2人と仕事が出来たのはラッキーだったわ。
──女性キャストのクロエ・グレース・モレッツ、ジェシカ・チャステインはいかがでしたか?
監督:クロエは、オーディションで見た時に、まさに適役だと思ったわ。彼女の役柄は、すごく厳しい環境に置かれていながら、自分を哀れだと思っていない子なの。他の環境を知らなくて、生き延びることに一生懸命だから、自分の酷い状況を知らない。クロエはそこをうまく捉えて完璧に表現してくれた。ジェシカは強さと優しさを兼ね備えている人で、彼女の役柄のモデルとなった女性がいるけど、その二面性をとても上手く出してくれたわ。
──今回はお父様がプロデューサーを担当していますが、何かアドバイスを受けたり、ディスカッションしたことは?
監督:マイケルは、監督に対して自由を与えてくれるプロデューサーなの。テレビや映画で他の監督と関わる時もそうだけど、監督のやりたいようにやらせてくれるわ。自分が監督として経験があるからそのように接してくれるのね。監督の視点を持ったプロデューサーと一緒に作業ができたのは本当に役立った。
──旬なキャストや、実際の事件を扱うことなど、何かプレッシャーは感じましたか?
監督:時間も予算も限られた中で、どれだけ最高のショットを撮るかというのが、私だけじゃなく全員が感じていたプレッシャーだった。でも、それはむしろエキサイティングでいい刺激になったし、キャストにも恵まれて、すごくいい作品が出来たと思う。結果として大満足よ!
──今後の監督の作品にも期待したいです。どんなテーマを手がけていく予定ですか?
監督:嬉しい言葉をありがとう!リサーチをするのが大好きなので、脚本家としても監督としても、現実にいるリアルな人々や場所を題材にした映画を撮っていくつもりよ。
2012年4月11日
『キリング・フィールズ 失踪地帯』
2012年4月14日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー!
公式サイト:http://killingfields.jp/