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つけ鼻で演技すると表情が大きくてやりやすかった~『クヒオ大佐』堺雅人インタビュー

クヒオ大佐

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10月10日より公開の『クヒオ大佐』は、1984年に逮捕された実在の詐欺師、ジョナサン・エリザベス・クヒオと、彼を取り巻く女たちとの人間模様をコミカルに描いた日本映画。米軍軍服に身を包み、つけ鼻で滑らかなカタコトの日本語を駆使(?)するクヒオ大佐を演じたのは、『ジェネラル・ルージュの凱旋』、『南極料理人』の堺雅人。女性の天敵!と、一刀両断したい役どころを、飄々とした風貌とわかりやすく変化する表情で、滑稽だけど、どこかチャーミングに演じた堺雅人のオフィシャルインタビューが届きました。
画像:『クヒオ大佐』堺雅人インタビュー


──実在の結婚詐欺師クヒオ大佐のエピソードを初めて聞いたとき、どう思われましたか?
堺:実際のクヒオ大佐の詐欺事件を知れば知るほど、なぜこんな人に騙されたんだろう?って思いが強くなっていきました。クヒオ大佐を受け入れていった人たち、松雪さんたちが演じた女性たちが、どうしてクヒオの話を信じたのか不思議でしたね。
──吉田監督からは、役作りについてどうリクエストされましたか?
堺:こんな感じに演じてくださいといった総論の指示は初めからなかったです。非常に各論で、細かい指示はいただきましたが。いっしょに細部を詰めながら、クヒオについて共に探っていった感じですね。
画像:『クヒオ大佐』画像:『クヒオ大佐』画像:『クヒオ大佐』画像:『クヒオ大佐』画像:『クヒオ大佐』
──アメリカ人になりすました日本人という設定ですが、台詞のアクセントについてはどんな指示が入りましたか?
堺:しゃべっていて、ちょっと片言すぎるとか、滑らかすぎるとか、本当に細かく指示してもらいました。吉田監督のおっしゃるとおりになんとか頑張ってやっていくことしか考えてなかったですね。ペース配分はすべて監督におまかせしました。
──つけ鼻での演技はいかがでしたか?
堺:つけ心地はよかったですよ。演技しているときも、まったく気にならなかったし。つけ鼻をすると自分じゃないみたいで、完成した映画も客観的に観ることができました。撮影中、正面から見た顔は鏡で確認できましたが、横顔は見たことがなかったので。自分では普通にやっているつもりでしたが、思ったよりもオーバーアクションになっていました。表情のバリエーションがあってよかったなと思いました。つけ鼻で演技をすると、表情が大きく作りやすくなるのですね。
──腕立て伏せを数十回したり、めいっぱい全力疾走したりするシーンは大変でしたか?
堺:思ったほどは大変じゃなかったです。ただ、腕立て伏せのシーンは、実際映画館でどういう受け止め方をされるのかが非常に気になりますね。笑っていただけるといいのですが。どちらかというと、全力疾走のほうが大変だったかな。リハーサルもあったし、テイク5くらいはやりました。ぜひ発売用のDVDのメイキングでは、走った分を全部使っていただきたいです(笑)。
──いちばん苦労したのはどのシーンでしたか?
堺:苦労したというより、手間がかかったのは、最後のLAで撮ったヘリコプターのシーンですね。ひと晩で片付けなきゃいけないシーンだったし、うまくつながっているかモニターでチェックする時間もなかったので。いろんなことでドタバタしましたが、映画を観たら無事つながっていたので、感動しました。
──3人の女性を演じられた、松雪さん、満島さん、中村さんと共演していかがでしたか?
堺:現場では相談し合いながら、互いに影響を受けながらやっていきました。非常に頼りがいのある共演者でしたよ。とくに松雪さんは大先輩ですから、いろいろと勉強になりました。いろんなところで助けられたし、映画を観ても、やっぱりしのぶの存在は大きいですね。
──完成した映画をどうご覧になりましたか?
堺:こんなにスケールの大きい超大作だったのかと思って、興奮しました。登場人物が非常に少ないし、移動距離もそんなにない映画なので、もう少しこぢんまりした映画になると思っていたので。L・Aまでロケに行った甲斐があったなあと。後半のクヒオの内面にぐっと入っていく一連のシーンがよかったです。ひとりの人間の狂気と正気の間を行ったり来たりして、“虚”と“実”が描かれている。深い映画だなと思って、ちょっと感動しました。まさに“吉田大八作品”に仕上がっていたし、その作品の1ピースになれてよかったです。
──クヒオの内面を語る上で、少年時代のエピソードも効果的に挿入されていました。
堺:台本の段階で楽しみにしていたシーンでしたが、子役の方がすごくいい顔をしてましたね。映画を観て、いろんなシーンを楽しめましたよ。たとえば、自然博物館の3人の恋のかけひきや、永野弁当の人間関係など、細部まで手を抜かずにこだわる吉田監督作品の素晴らしさを堪能できました。
──本作を、どんなふうに楽しんでほしいですか?
堺:この映画を見たら、戦後日本のいびつな部分や、湾岸戦争のちょっと腑に落ちなかった思いを感じるお客さんもいらっしゃるかもしれない。でも、そういう政治的なややこしいことは考えなくても、いろんなメッセージがあると思うし、いろんな方がいろんなことを感じられる大きい物語だと思います。もちろん、実際の詐欺事件をご存知ある方もない方も、女性も男性も楽しめるでしょうし。僕は、観終わった後で、少し座り心地の悪い感じになりました。国家とか人間とか男とか、物事を抽象的に考えると、そう思ってしまうのかもしれない。でも、女性が観ると違うのかもしれないし。本当にいろんな方に観ていただきたい映画です。
2009年10月9日
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『クヒオ大佐』
10月10日 渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国ロードショー!
公式サイト:http://www.kuhio-movie.com/