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映画『恐竜が教えてくれたこと』ステフェン・ワウテルロウト監督オフィシャルインタビュー

恐竜が教えてくれたこと

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オランダの児童文学「ぼくとテスの秘密の七日間」を映画化した『恐竜が教えてくれたこと』が、3月20日(金)より公開。本作で長編デビューを飾った、バラエティ誌の〈2019年に観るべきヨーロッパの監督10人〉に選出されたオランダの新たな才能、ステフェン・ワウテルロウト監督のオフィシャルインタビューが到着しました。
映画『恐竜が教えてくれたこと』
オランダ北部の島に、家族で夏のバカンスにきていた11歳の少年サム。彼は、「地球最後の恐竜は、自分が最後って知ってたのかな」と悩む、小さな哲学者のような男の子。そんな彼が不思議な魅力にあふれた少女テスと出会う。そんなテスにサムはどんどん魅かれていく。ある日サムは、テスからある重大なことを打ち明けられる。死んだと知らされていたパパを、ママには内緒で島に招待したというのだ。娘がいるなんて知らないパパに、娘の存在をどんな風に知らせるのか…。テスとサムの秘密の計画が実行される!
オランダの児童文学「ぼくとテスの秘密の七日間」を原作に、ひと夏の冒険を経て、人生の宝石を見つけたサムとテス。美しい海とその風景をバックに、繰り広げられる“秘密の計画”は、子供たちだけでなく、多くの大人たちのかけがえのない思い出や記憶を呼び覚まし、生きていくことの豊かさを心に刻んでいく。

──ご自身の子供時代について
監督:子どものころはすべてが単純に思えた。だが年を取るにつれ世界は自分が思うよりももっと複雑なものだと思うようになった。いずれ、誰しもにその時が来るように、人生の中で“もっとシリアスなこと”に向き合うことになった。そして、人生は一時的なものだとわかった。この先永遠に続くと信じている愛の関係さえ。それらは、ときに予期していたものより大きく違ってくることがある。

私は20代のころに母親を亡くした。人生は虚無でしかないと強く思った。しかし同時にその経験は精神の回復を教えてくれ、実際に私は気持ちを持ち直した。母を失ったことで私は自分の人生をより強く生きていかなくてはならないと導かれている気がした。
──「ぼくとテスの秘密の七日間」の映画化について
監督:3年前、アンナ・ウォルツの「ぼくとテスの秘密の七日間」を読んだとき、これが自分の初長編映画になると確信した。ワクワクの感情とユーモアの素晴らしいミックスでハートウォーミングな物語だと思った。さまざまな国でたくさんの熱心な読者がいるのは当然だ。どんな見方をしても僕のハートに寄り添ってくるし、10歳の主人公サムにたくさん自分を重ねてしまう。

原作本を映画の脚本にすることは大きな挑戦だった。もっと言えば自分で物語を作ることが。僕は映画化に成功したと信じている。特に脚本のラウラ・ファンダイクが素晴らしい仕事をしてくれた。重層的で心にグッとくる脚本だ。原作とは異なり映画の水準は幅広い客層に届くと信じている。若い人からお年寄りまで。もちろん少年少女にもね。

──こだわった点について
監督:物語はリアルだ。キャラクターは時々ちょっと非現実的だけど、決して滑稽な風刺画のようにはならない。とても人間的なキャラクターを創り上げたかった。多面的な個性を持った人物たち、観た人が愛し、そして一体となるような。ほとんどの登場人物はちょっと個性的なところがある。原作でもそうだが、我々は彼らの個性をここかしこで強調した。

──観客に伝えたいメッセージは?
監督:僕ら人間には、みんなそれぞれおかしな特性があると思うが、それは素晴らしいことで、大切なことだと思う。だから映画を観て、自分のユニークさを大事にすることがどんなに素晴らしいことなのか感じてほしい。人と違うということは実際、絶対的に普通なことだ。この映画では、オリジナリティの感覚を持つことの正しさを表現したかった。

子どもたちが知覚している世界を表現しようとした。また、美しい景色を撮ることで、サムを大いなる全体の一部として感じてほしかった。島をさまようサムを観測するためにときどき俯瞰的にサムを撮った。そしてまた、美しい自然に囲まれたサムと同じ目線に戻り彼をクロースアップすることで、彼が感じたとても小さなことまで表現したんだ。

2020年3月19日
『恐竜が教えてくれたこと』
2020年3月20日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
公式サイト:http://kyoryu.ayapro.ne.jp/