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映画『黄色い星の子供たち』ローズ・ボッシュ監督オフィシャルインタビュー

黄色い星の子供たち

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1942年夏、ナチス占領下のパリでフランス政府によって行われた史上最大のユダヤ人一斉検挙「ヴェル・ディヴ事件」。50年もの間、フランスで公式に認められなかったこの事件の真実を、家族と引き離された子供たちの視点から描いた物語『黄色い星の子供たち』が、7月23日(土)より公開。本作のメガホンをとった、元ジャーナリストのローズ・ボッシュ監督オフィシャルインタビューが到着しました。
映画『黄色い星の子供たち』ローズ・ボッシュ監督オフィシャルインタビュー映画『黄色い星の子供たち』
──実際に起きた衝撃的な過去である一斉検挙を描くにあたり、気を付けたことは何ですか?
監督:“倫理的”な答え方をすると、誠実さです。私の誠実さであり、私とこの人間的な冒険を分かち合った俳優たちやスタッフの誠実さです。“芸術的”な答えとしては、子供たちを撮影するために“遊び”を使い、全ての子供たちが軽い気持ちで、とても無邪気に撮影に取り組めるようにしました。小さな双子の子供たちは、自分たちが“捕虜”であると知っていましたが、私たちはこれがホロコーストであること、どこへ列車が出発するかを説明しませんでした。幼稚園で遊んでいるように私たちも遊び、一緒に叫んで泣きました。そして、観客自身が物語を体験しているように演出をしました。彼らも屈辱を受け、嫌がらせを受け、突き飛ばされたと感じるように。観客が常に感情移入出来るようにしたのです。
──具体的にはどういう演出をされたのですか?
監督:まずカメラを生き生きとしたものにしました。ルポルタージュのように撮影し、カメラを前にした俳優たちと彼らの周りを“踊る”3つのカメラという二つの振り付けを行ったのです。ユダヤ人の家族たちの日常生活の描き方にも気を遣いました。食事の時は冗談を言い合い、良い成績を取ると満足し、暖を取る…彼らの生活が他の家族と同じであることを明らかにするため、このコミュニティーをありのままに描きました。さらに、エキストラたちも決して受け身ではないように、と決めました。強制収容所の抑留者はいつも受け身で従順に描かれていますが、子供たちに銃口を向けられていたら反抗することなど出来ないということを理解して欲しかったのです。
──今回、名優ジャン・レノに今まであまり演じたことのない役を与えましたね?
監督:私にとってはジャン・レノがシェインバウム医師でした。彼は素晴らしい穏やかさと人間性を放っています。それに多くの産科医や小児科医のように、ジャンはとても大きな手をしています!彼には何をしてもつきまとう高貴さのようなものがあり、それは『おかしなおかしな訪問者』(92)の中でもそうでした。ユダヤ人の騎士のような役なので、彼以外には考えられませんでした。
──どのようにしてメラニー・ロランは役に取り組みましたか?
監督:メラニーは“ダイレクト”なので、一緒に仕事をするのが大好きでした。彼女は何度もリハーサルをすることが好きではないと言っていましたが、私もそうなので丁度よかったと思います。最高の演技を引き出すために俳優を拷問するのは無駄だと思っています。彼女はもし自分の演技がうまくいかないと、自分ですぐにそう言うんです。私は彼女を「私の落下傘兵」と呼んでいました。「塹壕から出るわよ!」と言うと、最初に飛び出して来るのはいつも彼女なんです。我慢強く、勇気があり、とても知的で、驚くほどシンプルな人です。私にとっての天の恵みとなりました。
──今回重要な役割を果たした少年ジョーを演じる子役はどのように選出したのですか?
監督:主役には200人、その他の役には100人ぐらいの子供に会わなければなりませんでした。ジョー役は撮影6週間前になっても見つからず、もう見つからないのでは…と思っていました。きっとこの役を頭の中で想像しすぎていたのでしょう…。そして最後に会った子供たちの中に、11歳の男の子で感受性がとても高く、人間味に溢れた瞳をしたユーゴ(・ルヴェルデ)がいました。彼はこの年齢にしては成熟した男の子で、しっかりと自己規律ができ、確固とした意志があり、働くのが大好きでした。
──あなたのジャーナリストとしての活動は、映画製作に生かされたと感じましたか?
監督:「その話を知らない人が、繰り返し語らなければならない」。この言葉を誰が言ったのか思い出せませんが、ジャーナリストとして旅をしてきた際に、この格言が本当であると何度も思いました。なので“未来”のために作ったのです。私たちは子供たちに服従することを教えますが、非服従の義務についても話さなければなりません。命令が非倫理的であった時、「ノー」を言う事を覚えなければなりません。この作品の中では、メラニー・ロランが演じた看護師アネット・モノにこの言葉を言わせました。彼女は憲兵に「反抗しなさい、辞職しなさい」と言います。歴史学者はフランス人全員が力を合わせてこの一斉検挙の実行を拒否していたら、起きえなかっただろうと言っています。
2011年7月20日
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『黄色い星の子供たち』
2011年7月23日(土)、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
公式サイト:http://www.kiiroihoshi-movie.com