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“能力”を見せつけるアクションにこだわり ──『MONSTERZ モンスターズ』中田秀夫監督インタビュー

MONSTERZ モンスターズ

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<眼差しですべての人間を自由に操れる男>と、<唯一、操れない男>。対立する能力を持って生まれた2人の男の激突を、藤原竜也&山田孝之という日本映画界を牽引する2人を主演に迎えて描いた『MONSTERZ モンスターズ』。本作は、2010年韓国で大ヒットした映画『超能力者』をベースに、『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』『クロユリ団地』の中田秀夫監督が新たに映画化。特殊能力による壮絶なバトルを描きながらも、閉塞する現実社会でもがき苦しむ人間同士の姿を描き、日本版ならではの衝撃の結末も用意する。映画の公開を前に、中田監督にインタビュー。製作の経緯や出演者の印象など伺いました。
リメイクされる作品にはそれだけの価値がある──『MONSTERZ モンスターズ』中田秀夫監督インタビュー
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──これまで『リング』や『仄暗い水の底から』など、監督自身の作品がリメイクされることがありましたが、今回は韓国映画『超能力者』を元に新たな映画を作られました。逆の立場としてどんな気分でしたか?
監督:リメイクされる立場からすると、リメイクされた作品を観て、自分のアイデアになかった面があって面白いと感じる部分もあるし、若干、複雑な思いもあります(笑)。『超能力者』は、今回の企画が上がった時にDVDで観たんですが、まだ若い監督のオリジナルの脚本で、素晴らしい才能だと思いました。リメイクされる作品にはそれだけの価値があるわけで、やはり元々のアイデア、物語の展開も面白かったですね。

今回はオリジナル映画のスピリットはリスペクトしながら、日本流に脚色させてもらいました。でも実際、脚本開発の作業をしていると、意外と(オリジナル映画を)忘れてしまうものなんですね(笑)。おおまかな展開やテーマは外さないようにしながら、日本では無理がある部分を変えていきました。撮影の時もオリジナルの映像は頭になかったし、非常に自由な発想でやらせてもらいました。
──具体的に製作するにあたって気をつけた点は?
監督:大きなところではアクションシーンです。日本でのカースタントは不可能ではないけど、どうしても外国の撮影や合成に頼らざるを得ないし、やってもマイケル・ベイにはかなわないわけです(笑)。ハリウッド的なアクションの派手さじゃなくて、“男”の能力をみせるアクションとして、何を操るのかと考えると、大人数の人間を操ったほうが、“男”の力も発揮出来るし我々の力も発揮出来ると思いました。そうしてオペラ劇場のシーンが出来たんですが、とても上手くいったと思います。
──藤原竜也さんと山田孝之さんのガチ対決、日本映画ファンとしては待ちに待った顔合わせだと思いますが、2人の印象はいかがでしたか?
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監督:竜也君は、スッとした見た目なのに熱い男で、映画のスクリーンに映えますね。演技も、蜷川幸雄さんや深作欣二さんといった、生半可では済まない巨匠達のもとでトレーニングを積み重ねているので、天性の勘に磨きがかかって、カットごとに自分がやるべき演技をズバッと感覚的につかんでくれる。

一方で山田君は初めてでしたけど、ものすごく真面目で、演技に対して理知的にアプローチする方だなと思いました。初日が、配送業者のトラックから降りてスマホを見るというシーンだったんですが、何度も何度もセリフをつぶやいていて、自分でしっくりくるポイントを見つけているんです。無駄なことを喋らない精密機械的な印象で、彼の中でプランがしっかりあって、そこからブレないアプローチをする。2人は年代も役者としてのキャリアもほぼ一緒ですが、アプローチの仕方が対照的で楽しかったですね。
──相反する能力をもった2人の“モンスター”ですが、周囲の人間との関係で、その孤独感も際だっていました。
監督:女性が観て感情移入できる部分が欲しかったので、石原(さとみ)さん演じるヒロイン像はしっかり描きたいと思っていました。松重(豊)さんが演じる刑事も、終一の過去を描く上で必要でした。2人の“モンスター”が、進化した人類なのか、科学的想像もつかないけど、客観的に2人を見る“世間の目線”みたいなのは欲しい要素だなと思いました。

竜也君が演じる“男”と山田君が演じる終一のバランスも、一方に偏るとつまらないしガチンコバトルをしっかり描きたいので、重量配分も気をつけましたね。“男”が単純な悪になってはマズイし、彼の能力のせいで奮闘する終一もバックストーリーをしっかり描きました。
──藤原さんが演じる“男”は、少年時代に母親からもらった『AKIRA』の漫画本を大事にしていますね。なぜ監督は『AKIRA』を選んだのでしょう?
監督:“男”が、自分の人間としてのアイデンティティと、母親との絆を確認するためのアイテムとして持っているんですが、やはり『AKIRA』は特殊な能力をもった登場人物が出てくるので、少年としては主人公にシンパシーを感じやすいと思うんです。フランスの映画祭でも皆『AKIRA』に食いついていました。
2014年5月28日
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『MONSTERZ モンスターズ』
2014年5月30日(金)全国ロードショー
公式サイト:http://www.monsterz-movie.jp