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こんなに美しい記憶をもつ女優は私以外にはいない ── クララ『利休にたずねよ』インタビュー

利休にたずねよ

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「茶聖」と称えられ、織田信長・豊臣秀吉さえ一目を置いたといわれる至高の芸術家・千利休。彼の崇高なまでに研ぎ澄まされた美意識が、若い頃に体験した情熱的な恋に始まっているとしたら…? そんな大胆な仮説のもとに利休の出発点を取り上げ、第140回直木賞を受賞した山本兼一の歴史小説を映画化した『利休にたずねよ』。これまでの利休像をくつがえす「情熱の人・利休」に市川海老蔵。その利休が与四郎と名乗っていた若き日、一目で心奪われる「高麗の女」を演じたのが、韓国でモデル・女優として活躍するクララ。映画の公開を前に来日したクララに直撃インタビュー。初めての日本での撮影舞台裏や「美」の秘訣など伺いました。
映画『利休にたずねよ』クララ インタビュー
『利休にたずねよ』 『利休にたずねよ』 『利休にたずねよ』
──どのように本作のヒロインに決まったのですか?抜擢された時の心境を教えてください。
クララ: 私の人生で本当に光栄なことでした。選んでくださった方々に感謝しています。原作を読んだ時、もともとあった茶道というものに、美を加味させていく発端が、私が演じた高麗の女性なんだという描き方が素敵だと思いました。すごく憧れて、なんとかこの役を手に入れたいと思って、しがみつきました(笑)。日本の文化がもともと好きだったので「私ほどこの役を理解できる女優はいないんです!是非選んでください!」って猛アピールしました(笑)。
──クララさんが演じた「高麗の女」は悲運な女性ですが、もとは貴族の娘です。所作など、事前にどんな準備をしましたか?
クララ: まずは、昔の衣装も着たことがないので、衣装を着慣れることから始めました。そして、日本に茶道を教える文化があるように、韓国にも韓国の文化を教えてくれる学校があって、そこに通って韓国独自の所作を学びました。昔から伝わる座り方、立ち方、歩き方、全部いちから勉強しました。ほかにも、実際に貴族だった方のお話も聞いて勉強しました。
──貴族の方からは、どんなことを学んだのですか?
クララ: 切実に感じたのが、とにかく自分の思いや感情を見せてはいけないことでした。すごく窮屈な時代に生きた方で、手の動き、言葉一つ、色んな事に最善の注意を払って行動しなければならない。それでいて、自分の凛とした風格を守っている。今の時代に生きる私って、すごく自由だけど、この生き方って良いのかなって逆に思ってしまうほどでした。
──日本での撮影現場はいかがでしたか?
クララ: 日本での撮影はもちろん初めてなんですが、現場の皆さんが、私が心を開けるようにすごく気遣ってくれて、ありがたかったです。私自身はアメリカでの生活が長かったので、人懐っこいというか、自分から積極的に近づけるタイプなんです。だから、お互い功を奏して、早く近しくなることが出来ました。特に、一番緊張する監督とも、すぐに意思疎通が出来たかなと思います。言葉が通じないはずなのに、今振り返ってみるとコミュニケーションできていたという感覚が不思議なほどです(笑)。そんな雰囲気だったので、撮影中はしっかり演技に没頭できたし、ずっと幸せで楽しく過ごしました。温かい雰囲気を作ってくださった皆さんに感謝したいです。
──市川海老蔵さんとの共演シーンが多かったですね。
『利休にたずねよ』 『利休にたずねよ』
クララ: 初めは私も緊張してたし、お互いにぎこちなかったと思います。でも、私も出来るだけオープンマインドで近づこうと努力して、海老蔵さんもそういう私をしっかり受け止めてくださいました。私の緊張をほぐそうと冗談を言ってくれたり、お兄さんのように包んでくれました。
──本作は、海老蔵さんと團十郎さんが映画で初共演したことも話題です。その貴重な機会に居合わせましたね。
クララ: まさに歴史的な瞬間だったと思います。その瞬間に立ち会えた私は、本当に幸運でした。美しい映画に出られたこと、それと同時に海老蔵さんと團十郎さんの共演、そこに込められた二人の親子関係は本当に素晴らしくて、こんなに美しい記憶をもつ女優は私以外にはいないんだわ…って思うと、奇跡に近いんだと思いました。
──クララさんが演じた「高麗の女」は、人生の中で数日しか会ってないのに、利休の美意識に、生涯にわたって影響を与え続ける女性でした。クララさん自身はそんな強烈な出会いはありますか?
クララ: この映画と海老蔵さんですね。私は8年間、韓国で女優として活動してきたけど、これほど自分を突き動かしてくれる作品に出会えたのは初めて。そういうパートナーに出会えたことも。撮影の間は実際に「高麗の女」になっていたし、その中で利休を本当に愛しました。
──クララさん自身の美意識や、普段、美を保つために心がけていることを教えてください。
クララ: いつもハッピーでいること!私、こう見えてもすごく努力家なんです(笑)。持って生まれたのは何一つないくらい(笑)。今は運動が好きだけど、好きなことは精一杯するし、不慣れなこと、苦手なことも頑張って克服する過程も好きなの。一つのイメージで固まっていくのが嫌なので、女優としてもモデルとしても、色んな事に前向きにチャレンジしているし、せっかちなせいか、さらに速度を上げながらこなしているんです。それは、私自身の人生をもっと楽しく良いものにしたいと思っているから。
──もともと女優を志していたのですか?これからもっと日本映画に出演してくれますか?
クララ: もちろん!最終目標は女優になることだったし、演技を認められる女優になりたいんです。普段の私、ここにいる私、この映画での私、そのほかにもまだまだ無数の私がいるので、是非期待して欲しいです。それに、私は日本が大好きで、日本の空気、日本の人たち、食べ物、なにもかも合うんです。この映画にしがみついたのは、そういう意味もあるんですけど(笑)、その気持ちが皆様に伝われば嬉しいです。
──最後にメッセージをお願いします。
クララ: すべての皆様におすすめしたい映画ですが、特に女性にオススメしたいです。どんな女性でも、この映画を観たらたぶん、美に関しての意識や目線が変わると思います。是非ご覧ください。
2013年12月6日
『利休にたずねよ』
2013年12月7日(土)全国東映系公開
公式サイト:http://www.rikyu-movie.jp/