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カッコイイ7人がドレスアップした姿も見たくなった──『ワイルド7』羽住英一郎監督インタビュー

ワイルド7

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望月三起也原作の同名人気コミックを映画化した『ワイルド7』は、選りすぐりの犯罪者の中から徴集された7人の男たちが、超法規的存在として悪人を問答無用で裁いていくアクションエンターテイメント。“ワイルド7”の7人には、アクション映画初主演の瑛太をはじめ、椎名桔平、丸山隆平(関ジャニ∞)、阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実ら魅力あふれる俳優が顔を揃え、さらに深田恭子、中井貴一らが加わる強力な布陣。本作の公開を前に、メガホンをとった羽住英一郎監督にお話を伺いました。
カッコイイ7人がドレスアップした姿も見たくなった──『ワイルド7』羽住英一郎監督インタビュー
──原作は70年代の大人気コミックですが、監督にとって「ワイルド7」はどんな存在でしたか?
監督:僕よりちょっと上の世代が見ていた漫画なので、存在自体は知っていましたが、読んだことはなかったんです。子供の頃は、ハードで難しそうで、セクシーな女性も出てくるし(笑)、子供が見ちゃいけないちょっとヤバそうな感覚は持っていました。内容はなんとなく知っていましたが、ちゃんと読んだのは、映画化が決まってからでした。
──そのメガホンを託されたときは、どう感じましたか?
監督:「人気漫画」という面での大変さは感じませんでしたが、難しいんじゃないかと思いました。
──映像化する上ではどの辺に苦労されたんですか?
監督:「7人・バイク・革ジャン」という設定と、漫画の持っているトーンや、子供の時に感じた、ちょっとヤバイくて荒唐無稽なイメージは維持したいと思っていましたが、おそらく若い人は原作を知らないので、今の若い人たちが楽しめる感じにするのには苦労しました。

難しかったのは、主人公たちが“人殺し”であるということでした。元犯罪者というだけで難しいんですけど、百歩譲ってそれを受け入れてくれたとしても、やっている行為は“人殺し”。「正義のため」とか「悪を倒しているから」という理由が、今の世の中では通用しないんです。正義を振りかざしていても、別の見方ではただの“人殺し”だという目を皆も持っているので、それをよしとして作っていくのは苦労しましたね。

基本的には、有り得ない設定で有り得ない人たちが事件を解決するという話ですが、振り切ってしまうと観客がついて来れないと思うので、何とか、有りそうなところに話を進めていきました。アクションばかりだと飽きてしまうけど、人間ドラマを押し出しすぎると、「『ワイルド7』を観に来ているのに、主人公が悩んだりする姿を見せられても…」と思うので、そんな(人間ドラマの)雰囲気も感じてもらいながら、ラブストーリーも、実はないんだけど、あったような気がするという(笑)、そんな、“いいとこどり”でバランスをとっていきました。
飛葉大陸/瑛太本間ユキ/深田恭子セカイ/椎名桔平オヤブン/宇梶剛士ソックス/阿部力ヘボピー/平山祐介B.B.Q/松本実草波勝/中井貴一
──重い犯罪歴を持った7人のメンバーには、豪華キャストが揃いましたね。
監督:7人が揃った時にカッコイイほうがいいので(笑)、個性のある人たちを揃えました。それぞれ型にはまらない、いろんな格好良さがあって、はみ出している感じが出したかったんです。キャスティングが決り、カッコイイ7人が集まったので、革ジャンだけじゃなくドレスアップした姿も見たくなって、無理矢理パーティーシーンを入れたくらいです。そもそも何のパーティーなんだ?という感じですが(笑)。
──主演の瑛太さんとは『銀色のシーズン』でもご一緒されていました。
監督:(瑛太が演じた)主人公の飛葉ちゃんは、映画のスタート時は目的を持っていなくて、そこから成長していくんですが、そればっかりにならないように演じてもらったので、難しい役柄だったと思います。瑛太は毎回毎回真っ白な感じで、その時のキャラクターに染まるんです。『銀色のシーズン』の時は城山銀、今回は飛葉というキャラクターで、瑛太と一緒だった…と言うより、それぞれのキャラクターと一緒に映画を作っているという印象ですね。
──紅一点の深田恭子さんは、カッコイイ女性になっていましたね。演出してみていかがでしたか?
監督:「謎の女」の雰囲気と、意外性を出したかったので、ユキにはぴったりでした。バイクも様になっていましたね。深田さんとは初めてでしたが、とても根性がある女優さんでした。大変なシーンもあって、最初は怖がっていましたが、本番になると動じないんです。最後のシーンでは、ホコリと小石がすごくて、みんなが目を開けているのが大変だったのに、深田さんだけバチッと目を開けて、ちゃんとしてましたね(笑)。
──バイクアクションも大変だったのでは?
監督:大変じゃないシーンがなかったくらいです(笑)。バイクを相手にしていることが、いちいち大変で、『海猿』で船を撮るのも大変だったけど、それと同じくらい大変でした。バイクを走らせると一瞬でかなりの距離を進むので、それをとらえつつスピード感を出すのも苦労しました。ロケ場所も、バイクを走らせる場所がなかったんですが、バイクで階段を上るアクションシーンでは、廃墟じゃなくて、綺麗な建物の中でやりたかった。今回は、場所を貸してくれたり頑張ってくれた人がいたのでそれが出来ました。
──出演者のほとんどがバイク乗りで、もちろんスタントマンをはじめスタッフもバイク好きがいたと思いますが、バイク乗りが集まった現場はいかがでしたか?
監督:僕自身もバイク乗りなので楽しかったですが、クラブのシーンではダンサーが(バイクと戯れて)踊ったりするんですけど、男性陣はみんな楽しみにしていましたね(笑)。クラブの入り口にはハーレーやアメ車の改造車を停めているんですけど、やはり男たちはそこで「“おっぱい”もいいけど、こっち(バイク)もいいよね。」ってなりましたね。やっぱり男の子だなと(笑)。
──クライマックスのアクションシーンでは、ほとんどセリフがなく、男たちは目線で会話をしていました。配慮した点は?
監督:7人の男たちの話を作るのには、7人のバディ感というか仲間意識が大事ですが、仲良し7人組ではつまらないので、その辺のさじ加減は気をつけました。“てんでんばらばら”だけど、最終的には繋がっている。ベタベタにならなず、それでいて熱く、言葉はいらない感じになっていると思います。
──チームワークを高めるために毎晩飲みに行ったらしいですね。
監督:毎晩飲んでましたね。朝いちの撮影では、二日酔いなので、みんなテンションが高いんです。「今日もやるぞー!」って意気込むんですけど、昼頃からグッタリしてましたね(笑)。みんなお酒が強いですけど、瑛太は特に強かったです。
────監督自身が、「いい現場をつくること」において意識していることはありますか。
監督:怒らないことですね。怒鳴ってもいいことはないし、監督が怒るとスタッフが萎縮して、力を発揮できないと思うんです。監督一人では何も作れませんから、スタッフ・キャストが伸び伸びと120%の力を発揮できる、そういう現場にするのが監督の仕事だと思っています。
──監督の『海猿』は大ヒットしましたが、『ワイルド7』はどんな方に見て欲しいですか?
監督:『海猿』は、1作目は『ワイルド7』と同じ感覚で作っていましたが、シリーズを重ねるごとに、お客さんも親になって子供と観に来たり、ものすごく層が広がっています。そういう意味では、『ワイルド7』は、気まずいシーンがあるわけじゃないけど、親子で観るという感じではないでしょうね。でも、どの世代でも楽しめると思うので、デートムービーだったり、女性だけでカッコイイ男たちを観るのもいいし、バイク好きな男性たちで観に来るのもいいと思います。
2011年12月19日
『ワイルド7』
2011年12月21日(水)全国ロードショー
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/wild7/