この世界の片隅に
戦時中の広島・呉を舞台に、日々を前向きに生きる主人公を描くアニメーション
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた──。
「夕凪の街 桜の国」で知られる漫画家・こうの史代の原作を、『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督が映画化。第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で、大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた珠玉のアニメーション作品。約6年の歳月をかけ徹底的な時代考証・現地考証を重ね、現在は見ることができない広島の街並みをかつての輝きそのままに再現する。
監督:片渕須直、出演:のん,細谷佳正,稲葉菜月