ティエリー・トグルドーの憂鬱
『母の身終い』の監督×主演が再タッグを組んだ重厚な社会派ドラマ
ティエリー・トグルドーの憂鬱
LA LOI DU MARCHE
2015年
フランス
93分
監督:
出演:
配給:
熱帯美術館
ジャンル:
ドラマ
公開日:2016-08-27
ティエリーはエンジニア一筋で働いていた会社から集団解雇された。当初はストライキを起こしてでも闘うと仲間に息巻いていたが、結局、会社を辞め職安に通うことになる。頑固な彼は今さら、就職面接を受けても上手く対応することができない。就職訓練の場でも、年の離れた若者からその堅さを容赦なく指摘されて、面目をなくす。そんな彼の唯一の救いは、妻と身体障碍を抱えた息子の存在だ。家族といる時は、世間の厳しさを忘れることができる。ティエリーはようやくスーパーの警備員の仕事に就くことができる。希望していたエンジニアの仕事ではないが、今はそんなことは言っていられない。しかし、彼はそこで、買い物客だけでなく自分の同僚たちまで不正をしていないかを監視し、発見した場合には告発しなければならないことを知る。ある日、告発によって、従業員の一人が自殺し、彼は会社側の厳しい対応に内心疑問を覚えるが―
『母の身終い』のステファヌ・ブリゼ監督と名優ヴァンサン・ランドンが再びタッグを組み、本国で観客動員数100万人を記録。自己保身と矜持、組織と個人、誰もが日々体験しているであろう社会の矛盾をあますところなく描き出した社会派人間ドラマ。己の矜持と社会のしがらみの中で板挟みになり、過酷な現実のため身を落としてゆく中年男を演じたヴァンサン・ランドンが、2015年カンヌ国際映画祭とセザール賞にて主演男優賞を受賞した。
監督:ステファヌ・ブリゼ、出演:ヴァンサン・ランドン