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「僕を産んだ罪」で両親を告訴した少年の物語 映画『存在のない子供たち』7月より公開

存在のない子供たち

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第71回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門〈審査員賞〉〈エキュメニカル審査員賞〉を受賞した映画『カペナウム(原題)』が、邦題『存在のない子供たち』として7月、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開が決定した。

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わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。学校へ通うこともなく、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで両親に働かされている。唯一の支えだった大切な妹が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、大人たちが作ったさらに過酷な“現実”だった──。

その年のパルムドールに輝いた是枝裕和監督作『万引き家族』とともにカンヌ国際映画祭を震わせ、コンペティション部門〈審査員賞〉〈エキュメニカル審査員賞〉を受賞。その後も本年度ゴールデン・グローブ賞ならびにアカデミー賞 外国語映画賞にノミネートされた『存在のない子供たち(原題:カぺナウム)』。

メガホンをとったのは、『キャラメル』で監督・脚本・主演の一人三役を果たし、カンヌ国際映画祭の初上映で話題をよび多くの映画賞を受賞したナディーン・ラバキー監督。女優としても活躍しており、5月14日より開催される本年度のカンヌ国際映画祭<ある視点部門>の審査員長も務めることが先日発表されたばかり。

リサーチ期間に3年を費やし、主人公ゼインを始め出演者のほとんどは、似た境遇にある素人を集めた。感情を「ありのまま」に出して自分自身を生きてもらい、彼らが体験する出来事を演出するという手法をとった結果、リアリティを突き詰めながらも、ドキュメンタリーとは異なる“物語の強さ”を観る者の心に深く刻み込むことに成功。今も全世界へと広がり続けている絶賛の波が、ついに日本へも押し寄せる。

目をそらしたくなる貧困の生々しさの中で、必死に生きようとする彼らの強いまなざしやその歩みに胸を打たれずにはいられない。断ち切ることも抜け出すこともできず巻き込まれるしかなかったちいさな存在が起こすセンセーショナルな展開に感情を揺さぶられ、いまできることは何かと深く自身に問わずにはいられない衝撃作となっている。

『存在のない子供たち』
原題:CAPHARNAÜM
監督・脚本・出演:ナディーン・ラバキー 『キャラメル』
出演:ゼイン・アル・ハッジ、ヨルダノス・シフェラウ、ボルワティフ・トレジャー・バンコレ
2018/レバノン、フランス/カラー/アラビア語/125 分/シネマスコープ/5.1ch/PG12 字幕翻訳:高部義之
配給:キノフィルムズ/木下グループ
(C)2018MoozFilms

7月、シネスイッチ銀座ほか全国公開
2019年4月24日
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『存在のない子供たち』
2019年7月20日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国公開
公式サイト:http://sonzai-movie.jp/