ニュース&レポート

北朝鮮スパイの葛藤描く『レッド・ファミリー』に、田原総一朗、鳥越俊太郎らが絶賛のコメント

レッド・ファミリー

  • Facebookでシェアする
  • ツイートする
韓国の鬼才キム・ギドクがエグゼクティブ・プロデューサー・脚本・編集を務める映画『レッド・ファミリー』(10/4公開)。本作を鑑賞した各界のジャーナリストや研究者、大学教授、小説家をはじめとする大勢の知識人から絶賛コメントが到着した。
北朝鮮スパイの葛藤描く『レッド・ファミリー』に、田原総一郎、鳥越俊太郎らが絶賛のコメント

映画『レッド・ファミリー』は、韓国で“理想の家族”として暮らす北朝鮮のスパイチームが、ある大失態から“隣の家族の暗殺”を指令され奔走する姿を描いたドラマ。 鬼才キム・ギドクが、南北統一の思いを込めて描いた脚本を、彼の秘蔵っ子イ・ジュヒョンにメガホンを託し映画化された。

劇中で、“理想の家族”を装い韓国に紛れ込んだ北朝鮮スパイチーム。彼らの家族は北朝鮮で人質に取られており、“本当の家族”を守るために非情な任務を遂行していく。しかし同時に、隣に住むケンカばかりのダメ一家を「資本主義の限界」を罵りつつ、彼らの“普通の幸せ”に淡い憧れを抱き、祖国への忠誠と現実の間で葛藤する。そんな姿に、ジャズシンガーの綾戸智恵は「家族と共に暮らしたい、この想い誰でも一緒」、小説家の岩井志麻子も「どこの国の人も、みんな普通の幸せが欲しいのだ」

本作はコメディではないが、北朝鮮スパイたちが大真面目に規律を重んじ、理念を語り、任務をこなして行く姿は、シリアスなはずなのに終始笑いが起こる。ジャーナリストの田原総一朗は「残酷過ぎる任務が滑稽にさえ見えるのは、日本が平和過ぎるためか」、映画監督の松江哲明は「あまりに滑稽な一家が突きつけるのは朝鮮半島の縮図だ」、東海大学准教授の金慶珠も「荒唐無稽なこの家族は、壮絶なまでにリアル」とコメント。

また、本作は第26回東京国際映画祭(2013)で上映された際、任務失敗で追い詰められ、「隣の家族の暗殺」を命じられた主人公たちが、命を賭けてうつ切ない芝居に嗚咽する観客が続出。その温かくも切ない衝撃で圧倒的な絶賛評を受け、観客賞受賞という快挙を達成した。放送作家の鈴木おさむは「一瞬もだれることなく、ずっとおもしろい。すごい映画をありがとう」、作家の樋口毅宏も「ふたつに引き裂かれた祖国の悲劇を、韓国映画はまたしても傑作に昇華させた」など絶賛コメントを寄せている。

『レッド・ファミリー』 著名人からの絶賛コメント


■田原総一朗(ジャーナリスト)
仲むつまじい家族に扮した北朝鮮のスパイの残酷過ぎる任務が滑稽にさえ見えるのは、日本が平和過ぎるためか。

■大谷昭宏(ジャーナリスト)
「家族を犠牲にしてまでやらなければならないことなんて、この地球上に何一つ存在しない」。私が常々言っていることを、痛快に言ってのけた映画に、初めて出合った。

■鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
これが南北朝鮮の現実なのか?って笑いながら最後までみてしまう
韓国に潜入した北工作員のニセ家族。隣家はケンカが絶えない韓国家族。両家の交流で心を開くニセ家族。がそこには苛酷な運命が…。

■長谷川幸洋(ジャーナリスト)
これが北朝鮮を隣国に抱えた韓国で起きている現実なのか?
愛する家族を人質にとられた北朝鮮スパイたちの絶望と自己犠牲が重苦しくも悲しい。

■綾戸智恵(ジャズシンガー)
家族と共に暮らしたい、この想い誰でも一緒。ハリウッドでも大作でもないからか北の一家がこっけいや、いやちゃう ギドクの凄さや切ない切な過ぎや、同民族でお隣さんの筈やのに、私泣きながら笑た、いや笑いながら泣いた。

■松江哲明(映画監督)
笑わせられると同時に背筋に寒いものを感じてしまう。あまりに滑稽な一家が突きつけるのは朝鮮半島の縮図だから。

■鈴木おさむ(放送作家)
もしも隣の家に北朝鮮のスパイ家族が住み始めたら。この究極のもしもの企画から生まれる物語、一瞬もだれることなく、ずっとおもしろい。本当にずっとおもしろい。すごい映画をありがとう。

■岩井志麻子(小説家)
良くも悪くもこんな普通の人達をスパイとして送り込むか?と思ったが、実はこれは現実でもあるのだ。どこの国の人も、みんな普通の幸せが欲しいのだ。

■崔洋一(映画監督)
強いられた疑似家族のスパイたちは悲劇なのか、それとも滑稽な物語なのか。
国家という幻想に礫(つぶて)を投げるキム・ギドクとイ・ジュヒョンに拍手を送る。

■四方田犬彦(比較文学研究者)
70年代に韓国のTVで放映されていた、KCIA連続ドラマを想い出した。もっとも結末はだいぶ違う。いいじゃないの、幸せならば・・・という韓国の現在の気分を、皮肉っぽく突いている。南北分断までコメディにするのだから、たいしたものだ。

■中条省平(学習院大学教授)
荒唐無稽なコメディだと思って見ていると、まったく先の読めない展開に翻弄される。ラストに呆然とするか、感動させられるかは、あなた次第だ。

■梁石日(作家)
スパイは非情の世界を生きる人間だが、家族をよそおいながらスパイ行為を続けることは欺瞞の上に欺瞞を重ねることであり、北朝鮮の非人間性を反映していることになる。

■樋口毅宏(作家)
素晴らしい!北朝鮮スパイ役の俳優が誰ひとり甘い顔をしていない。日本でリメイクしても、演じられる日本人俳優がいるだろうか。始まって5分で「これ絶対面白いだろ」と思ったら想像以上の展開だった。しかもどんどん面白くなっていき、思いがけないラストが待っている。『JSA』、『シルミド』、そして『レッド・ファミリー』。ふたつに引き裂かれた祖国の悲劇を、韓国映画はまたしても傑作に昇華させた。

■金慶珠(キム・キョンジュ)(東海大学准教授)
イデオロギーを超えた人間の本能。その本能が家族に出会うとき、こんなにもおかしく、あたたかく、そして切ない愛が生まれる。荒唐無稽なこの家族は、壮絶なまでにリアルだ。

■黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)
家族の絆が北朝鮮を崩壊させることができるか?鬼才キム・キドクがこの魅力的テーマに挑戦した。映画は日本人拉致問題解決への希望と絶望も示唆する。
2014年9月8日
『レッド・ファミリー』
2014年10月4日(土)新宿武蔵野館他全国順次公開