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綾野剛、『そこのみにて光輝く』に主演!『海炭市叙景』に続く函館市民発信映画第2弾

そこのみにて光輝く

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新しい形の地方発信映画として数々の賞に輝いた熊切和嘉監督『海炭市叙景』から3年。函館市出身の作家、佐藤泰志の小説「そこのみにて光輝く」が、市民有志らによる企画で映画化されることが決定。主演に綾野剛、共演に池脇千鶴、菅田将暉ら注目のキャストが参加する。
綾野剛、『そこのみにて光輝く』に主演!『海炭市叙景』に続く函館市民発信映画第2弾
ある出来事が原因で仕事をやめた佐藤達夫は、毎日何をするでもなくぶらぶらと過ごしていた。そんな時、パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児と知り合う。ついてくるよう案内された先は、取り残されたように存在している一軒のバラックだった。バラックには寝たきりの父親と、父親の世話に追われる母親、そして姉の千夏がいた。世間から蔑まされたその場所で、一点のみ「光輝く」千夏に心惹かれる達夫。やがて、戸惑いながらも強く惹かれ合っていく二人は太陽の照りつける海で愛を確かめあう。しかし、千夏は逃れられない非情な現実を抱えていた…。千夏のすべてを知り、達夫が選んだ道とはー。

20年前、今の日本を予期したような作品群を遺し、自ら命を絶った佐藤泰志。何度も芥川賞候補・三島賞候補に挙げられながらも、賞に恵まれなかった不遇の作家唯一の長編小説「そこのみにて光輝く」は1989年に刊行。夏の函館を舞台に、愛を見失った男と愛を諦めた女との出会いを、底辺で生きる家族を慈しむような眼差しで描き、第2回三島由紀夫賞の候補となった佐藤の最高傑作である。刊行当時から多くの映画監督による映画化が企画されながらも実現に至らなかった「幻の企画」だが、発刊から24年を経て待望の映画化が実現する。

主演には、その独特の空気感で人気を集め、映画界から今最も熱い視線を浴びる綾野剛が、ひとりの女を愛しぬく男・佐藤達夫を演じる。家族のために懸命に生きるヒロイン・大城千夏には、デビュー作『大阪物語』(市川準監督)で映画祭新人賞を総なめし、実力派女優として活躍を続ける池脇千鶴、千夏の弟・大城拓児には、『共喰い』(青山真治監督)の主演等で今後が期待される若手俳優・菅田将暉という、注目のキャストが揃った。

監督を務めるのは、前作『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞を受賞するなど、高い評価を得ている呉美保(オ ミポ)。「人の生き方、生きる姿を丁寧に描きたい」という呉監督のテーマのもと、あがき踏み出そうする達夫と千夏たちの人生の春夏秋冬を、リアリティをもって描き出す。撮影は6月下旬から始まり、オール函館ロケを敢行。クランクインを目前にした呉監督は、「骨太なキャスト、凄腕なスタッフと共に、愛すべき原作を映画にするため、函館にやってきました。いよいよだと思うと緊張しちゃいますが、がむしゃらに、やりたいことをやりきろうと思います」と意気込みをコメントしている。

映画『そこのみにて光輝く』は、佐藤泰志文学が再評価されるきっかけとなった『海炭市叙景』に続く函館市民発信映画の第2弾として、東京テアトルと函館シネマアイリス(北海道地区)の共同配給により、テアトル新宿ほかにて2014年に公開される。
2013年6月25日
『そこのみにて光輝く』