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第35回モントリオール世界映画祭にて『わが母の記』『アントキノイノチ』がダブル受賞

わが母の記,アントキノイノチ

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カナダのモントリオールで開催されていた、第35回モントリオール世界映画祭の授賞式が28日に行われ、ワールド・コンペティション部門に出品されていた日本映画、『わが母の記』が審査員特別グランプリ、『アントキノイノチ』が、イノベーションアワードを受賞した。
第35回モントリオール世界映画祭にて『わが母の記』『アントキノイノチ』がダブル受賞

今年で35回目を迎え、8月18日~28日まで開催されていたモントリオール世界映画祭は、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭に次ぐ北米最大規模の権威ある映画祭。過去には、奥田瑛二監督の『長い散歩』や滝田洋二郎監督の『おくりびと』がグランプリ、『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』で根岸吉太郎監督が最優秀監督賞を受賞したほか、昨年は『悪人』で最優秀女優賞を受賞するなど、日本作品に対する評価が非常に高い。

本年度、同映画祭のワールド・コンペティション部門へ出品された日本映画は、原田眞人監督の『わが母の記』と、瀬々敬久監督の『アントキノイノチ』の2作品(ともに松竹配給)。今回は両作品ともに受賞し、4年連続で日本映画が受賞するという快挙を成し遂げた。

最高賞のグランプリに次ぐ栄誉ある賞である「審査員特別グランプリ」に輝いた『わが母の記』は、作家・井上靖の自伝的小説を、役所広司、樹木希林、宮崎あおいら豪華キャストで描いた家族の絆の物語。

『わが母の記』審査員特別グランプリ受賞
授賞式では、現在、京都で別作品の撮影をしている原田眞人監督に代わり、映画祭に出席していた原田遊人(編集担当・原田監督の長男)が、「監督である父は現在、撮影中のため代わりに受け取ります。このような素晴らしい賞を頂き、とても光栄に思っています。ありがとうございます」と喜び、樹木は、「この映画の日本は今、原発と言う人災により、空気も壊れ、水も壊れかけています。私たちはこのような賞を頂いても、嬉しいような情けないような気持ちですが、こころして頂きます。美しい映画、と審査員に言われました。そういう日本でありたいと思いました」とコメントした。

2人は、授賞式直後に原田眞人監督と、共に京都で撮影している役所広司に電話で朗報を伝え、喜びを分かち合ったという。原田監督は、「日本が元気のない今、明るいニュースが届いてとても嬉しく思います。すべての観客とその母親たちに捧げるつもりで撮りました。この家族の絆の物語がモントリオールの皆様にも共感して頂けたことが、光栄です。深い感謝をお伝えしたいと思います」。役所広司も、「現地にいる樹木さんとも電話で話をしました。監督とともに喜びを分かち合っています。日本の家族の姿を世界の人々に観ていただけて、そして受け入れてもらえたことがとても嬉しいです」と喜びのコメントを寄せた。


一方、ワールド・コンペティション部門に出品された20作品中、最もインパクトを与え、革新的で質の高い作品に与えられる、「イノベーションアワード」を獲得した『アントキノイノチ』は、心に傷を負った若い男女が、“遺品整理業”を通じて出会い、もがき苦しみながらも成長していく姿を描いた感動作。

『わが母の記』審査員特別グランプリ受賞
授賞式に参加した瀬々監督は、壇上に上がり、「日本人です!元気ですかーーーー!!!ありがとうございました!」と大きく喜びを表現。「これからスタッフ・キャストみんなで喜びを分かち合いたいと思います。みんな、喜ぶと思います!」と挨拶すると、会場から温かい拍手と声援が送られた。

この受賞を受けて、主演の岡田将生は、「今回は、このような賞を頂きとても光栄です。この役と出会い、他のキャストの方々、スタッフの方々と1つの作品作りができた事はとても誇りに思います。これから日本で公開されますが、ますます楽しみになりました。早く日本の方々に見てもらいたいです」。榮倉奈々は、「とてもとても嬉しい気持ちでいっぱいです。改めて、この映画に参加させていただけて幸せに思います」とコメント。

また、原作者のさだまさしも、「「遺品整理業」という、日本人らしい心のこもった職業を通して、命の重さを綴った作品が、海外の人に評価していただけたことを嬉しく思います。そして、改めて、日本のたくさんの若い人たちに見て欲しいという気持ちを強くしました」とコメントを寄せた。
2011年8月29日
『わが母の記』
2012年4月28日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://www.wagahaha.jp