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三池崇史監督もベタ褒め!園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』トークイベント

冷たい熱帯魚

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六本木のビルボードライブ東京で「三池崇史監督 presents 大人だけの空間」と題された、『冷たい熱帯魚』特別試写会が開催され、三池監督司会のもと、同作の園子温監督、吹越満(主演)を招いたトークイベントが行われた。
三池崇史監督もベタ褒め!園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』トークイベント

1月20日(木)に行われたこのイベントは、登壇者も観客も喫煙OK、お酒や食事を楽しみながらのトークの後、映画を観るという和やかなもので、登壇者の3人もビール片手に煙草をくゆらせ、終始リラックスモード。

三池監督は、園監督の最新作『冷たい熱帯魚』について、「ここ何年かで驚くべき大傑作。普通じゃないだけじゃなく、映画として完成度が高い」と褒め称え、「映画人は作ったものが全て。『冷たい熱帯魚』は圧倒的で、「映画って面白い!」と思えた。これをいち早く観て頂きたいと思いました」と、客席にメッセージを送った。

さらに続けて、「今の日本映画の幅をどこまで広げてくれるのか、園子温が暴れた後に僕はついていく」と三池監督。園監督はすかさず、「逆ですよ!三池崇史が森の木を刈って舗装道路を作った後、僕がスポーツカーで走るつもりなので…」と反論しながらも、「三池さんの作品はVシネマ時代から見まくっていて、商業監督としてのやり方も尊敬している。三池と(黒沢)清は凄いなと思ってた。俺は、のし上がろうとした時に、三池を潰せばなんとかなると思った」と言い放ち、会場は笑いに包まれた。

話題が日本映画のことになると、三池監督が自虐ネタを交えて笑わせ、園監督は日本の映画監督をメッタ斬り。発言はどんどん過激さを増していき、途中、吹越が「日本からヴェネチア国際映画祭に行った監督3人のうち、2人がここにいるというのは、凄いことですよ。ロイヤルストレートフラッシュに近い。そんな気持ちで許して…」と、笑顔で客席に詫びて、話題はようやく『冷たい熱帯魚』に。

本作が生まれたきっかけについて園監督は、「プロデューサーから言われたので作ったんですけど(笑)。実際にあった愛犬家殺人事件をリサーチして、ある意味、忠実に作ってます。でも、事実って「起・承・転」まではいいけど、「結」がだらしない。やっぱり映画だったら、「転・結」ぐらいはフィクションにしたかった」と説明。吹越のキャスティングについて、「喫茶店で偶然会った」と言いつつ、「三池的なノリで、いい加減な真面目さが面白いものを生むって信じてます」。これを聞いた三池監督は、「偶然の出会いが奇跡になってる」と頷いた。

さらに、三池監督が、「でんでん、凄いなと思ってると…」と切り出すと、園監督が、「あ…あんまり言わないで……」と懇願するものの、三池監督は続けて、「観客にとって唯一の救いが、覚醒する。その辺が鷲掴みにされるんだよね。カタルシスがある。起承転結が全部あって、瞬間瞬間が光っている」と絶賛しきり。吹越は、「お客さんは僕を通して観てもらえるとわかりやすいと思います」とフォローした。

ここで園監督が、脚本誕生にまつわる危険なエピソードを語り始めた。クランクイン前に、朝、家に帰ったら、フィアンセが家具ともどもいなくなってしまったらしいが、「ヒドイ状態だった。僕は新宿のウィークリーマンションに引っ越して脚本を書いたんですけど、歌舞伎町のホストのとこに行って因縁つけると向こうが“殴ってくれる”ので、「殴られてきた~」って血を流して帰ってきて脚本を書いた。それが『冷たい熱帯魚』」と、何故か満面の笑顔。吹越も「眉毛剃って、“あおたん”つくってましたから」と証言し、園監督が続けて、「一緒に脚本作った(高橋)ヨシキにもケンカ売ったけど、ヨシキは大人だから…。「一緒に映画作ろうよ」ってほだされて、(脚本が)出来上がったんです」と、アツい友情エピソードも披露した。これを聞いて三池監督は、「やっぱり映画は狂人が作るべきなんですよ。例えば、役者でもそうだけど、勝新太郎が今の時代に二十歳当時の才能のままいたとしても、どの事務所も誰も見向きもしないし、触らない。チャンスもない。はみ出した奴らが生きることが出来ない場所になっちゃってるんだよね。そんな状況にも関わらず、園子温は勝手に生きてる(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。

ちなみに、三池監督は、詩人でもある園監督についての句を詠んだそうで、「園子温、ああ園子温、園子温」と披露。この意味を「映画を観終わったら、一ヵ月ぐらいずっと頭を巡っちゃうから。そのくらいインパクトというか、「映画って凄い、監督って面白いな」って思う。監督はやろうと思えばこんなに表現できるんだって僕は感じた」と、しみじみ語った。

園監督は上機嫌で、「三池さんはインタビューのたびに「映画愛はない」って“ほざいてる”けど、今しゃべってることは映画愛に満ちてますよね」と話すと、三池監督が「映画愛っていうよりも、“『冷たい熱帯魚』愛”に満ちているんだよ」と、究極の愛情表現。これを受けて園監督は、はにかみながら「最後、キメゼリフ言おうと思ったのに、忘れちゃった…」と、思い出せないままにトークショーが終了。会場は終始笑いに包まれていた。
2011年1月24日
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『冷たい熱帯魚』
2011年1月29日(土)より、テアトル新宿ほか全国順次ロードショー
公式サイト:http://www.coldfish.jp/