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ガス・ヴァン・サント監督が10年ぶり来日 『ドント・ウォーリー』ティーチインイベント

ドント・ウォーリー

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ガス・ヴァン・サント監督最新作、ホアキン・フェニックス主演の映画『ドント・ウォーリー』(5/3公開)の日本公開を前に、ガス・ヴァン・サント監督がプロモーションのため来日。都内で行われた日本最速上映後のティーチインイベントに登壇した。
ガス・ヴァン・サント監督が10年ぶり来日 『ドント・ウォーリー』ティーチインイベント

ガス・ヴァン・サント監督の来日は、ショーン・ペンにアカデミー賞主演男優賞をもたらした『ミルク』(09年)以来、実に約10年ぶり。日本にも多くのファンを持つ監督のティーチインとあって平日にもかかわらず地方からもファンが駆け付け場内は超満員。しかもガス監督は、日本での上映ティーチインイベントに参加するのは初めてのこと。本作最速上映後の熱気冷めやらぬ中、ガス・ヴァン・サント監督と、監督の友人でもあるクリエーターの野村訓市氏が登壇した。

長年ポートランドに住んでいて「ガスといえばポートランド、リベラルな街のアンバサダーみたいな感じだったけれど、(今はL.A.に住んでいて)この間はあっさり捨てたって話してたよね」という野村に対し、「そう、ポートランドを捨てました(笑)」とガス監督が答えるなど、友人ならではのユーモアあふれる会話から始まったイベント。

野村は2年前にL.A.にあるガス・ヴァン・サント監督の自宅を訪れた際に、すでに監督から本作のことを聞いていたそうで、「今回の主人公ジョン・キャラハンは我々日本人には馴染みがないんだけど、ガスがポートランドに住んで映画を作り始めた頃、ちょうど彼も新聞にマンガを描き始めた頃だったんだよね。彼はポートランドでどんな存在だったの?」と質問すると、監督は「80年代にカートゥーンニスト(漫画家)として活動しはじめたのがジョン・キャラハンで、ちょうど僕がポートランドで映画を撮り始めたころに、彼もローカルな人物として知られるようになった。マンガは毒のあるもので、面白いんだけどいろいろな問題も起こしていて苦情の手紙も届いていたようだ。でも彼はそれすら喜んでいたね」と当時を回想。

さらに「『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のあとくらいに、ロビン・ウィリアムズが彼(キャラハン)の本の権利を買ったんだ。ロビンはサンフランシスコに住みながらもキャラハンのファンだったんだよ。それで僕に監督の話がきたんだけど、もともとキャラハンのストーリーは知っていたし、ロビンが演じるならば上手くいくのではと思っていた。でも1本目は98年、2本目は2001年から2002年だったと思うけど2本脚本を書いて、結局そのときは映画化には至らなかった」と続け、「その時にキャラハンからは“この映画一体どうなったんだよ?できる頃には俺たち全員死んじゃうよ”なんて言われて。まずジョンが亡くなって、そのあとロビンが亡くなって、あぁジョンの言うとおりだったなぁって思ったよ。でもロビンが亡くなったあとでも、まだ本の権利は持っていたんだ」と本作完成までの長い道のりを想起させる貴重な思い出話を披露。

またこの日は観客からの質問にも応じ、主演のホアキン・フェニックスについては「ホアキンには『誘う女』(1995)に出演してもらったが、彼は自分を徹底的に入れ込んでくれる。(『誘う女』も本作も)どちらの作品も素晴らしい体験でした」と語り、『エレファント』のような少年にむけての次回作は?という質問には「今書いているもので、パリのファッション・ウィークについて書いている脚本があります。少年とその父親の話です。『パラノイドパーク』がファッション・ウィークにいく、って感じかな(笑)」と返し、会場から歓声が起こる場面も。

この日、登壇前の舞台裏で「日本の方が本作のことを気に入ってくれるかなぁ」と話していたというガス・ヴァン・サント監督。「この映画は僕らの世代の『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。周りにいる最近落ち込んでいる人悩んでいる人にはぜひ口コミして伝えてください!」と話す野村の言葉と、監督の不安を吹き飛ばすような観客からの大拍手を受け、改めてガス・ヴァン・サント監督は「今日は来てくれてありがとう。友達にぜひ伝えてね。そうでないと誰も観に行かないから(笑)」とユーモアたっぷりに観客たちに最後のメッセージを送った。
2019年2月21日
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『ドント・ウォーリー』
2019年5月ヒューマントラストシネマ有楽町・ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館他全国順次公開
公式サイト:http://www.dontworry-movie.com