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『gifted/ギフテッド』マーク・ウェブ監督が来日 クラムボン・mitoと劇伴音楽のこだわりを熱弁

gifted/ギフテッド

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『(500)日のサマー』『アメイジング・スパイダーマン』のマーク・ウェブ監督が、最新作『gifted/ギフテッド』(11/23公開)のプロモーションのため来日。Apple銀座にて、劇場アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』の劇伴なども手掛けているクラムボンのmitoとともにトークイベントに出席した。
『gifted/ギフテッド』マーク・ウェブ監督が来日 クラムボン・mitoと劇伴音楽のこだわりを熱弁

11月23日(木・祝)公開の映画『gifted/ギフテッド』は、フロリダの小さな町を舞台に、独身の叔父フランクと生意気ざかりの姪メアリーのチャーミングで切ない物語を描いたハートウォーミング・ストーリー。

大きな拍手で迎えられたマーク・ウェブ監督は、「今日はこんなに素敵なイベントに呼んでくれてありがとう!この映画は観客のみんなにただあたたかい気持ちになってもらいたいという思い一心で撮った作品なんだ。気に入ってもらえると嬉しいよ」、続けてmitoは「この映画の音楽の使い方がとてもシンプルで、生活に密着したような形で使われていることにとても親近感を感じました。今日はマークの世界観と音楽が近い理由を知れたらいいなと思っています」とそれぞれ挨拶。

日本でも大ヒットした『(500)日のサマー』を制作する前はミュージックビデオを手掛けていたというマーク・ウェブ監督。「僕は10年間ミュージックビデオを撮っていたけど、そこでは最初に音楽を聴いて、どういった映像が合うんだろうという制作の仕方をしていた。でも映画は後から音楽をつけるという真逆の作業だったから当時はすごく違和感を感じていたよ。『(500)日のサマー』は、まずサウンドトラックを作った。主人公のトムの思考や彼が何を考えているのかを基準に音楽を選んだから、それぞれの曲の歌詞はそのシーンやキャラクターたちの心情を説明していることが多い。僕にとっては楽しい作業だった」と当時の撮影を振り返った。

一方、mitoは『(500)日のサマー』について、「主人公のトムが好きな女の子の前でカラオケするシーンで、ピクシーズの「ヒア・カムズ・ユア・マン」を歌わせるところが凄くキャッチーで面白かったですね。あそこで綺麗にピクシーズを入れて、さらにエレベーターではスミスを入れるのは、本当にそのシーンに寄り添っていて良かったです」と感銘を受けた様子でコメントした。

また、劇場アニメ映画『心が叫びたがっているんだ。』で劇伴を手掛けたmitoは「あの映画ではクラシック音楽を使うっていうテーマがあり、観客の皆さんにクラシックをどうカジュアルに聴いていただけるのか試行錯誤したので、マークの葛藤とシンクロする部分はあるのかなって思いました」とコメント。mitoの話を受けた監督が、「みんなの心に届きやすいものというのは大事だと思うけれど、そうすると“気に入ってもらえるもの”と“かっこよさのあるもの”が反比例するよね。mitoは自分の音楽作るときと、劇伴を手掛ける時とどういう折り合いをつけているのかな?」と質問すると、mitoは「全然違うものだと思いますね。映画は画とそのシーンに寄り添うことが最優先。『心が叫びたがっているんだ。』で、クライマックスの「悲愴」と「オーバー・ザ・レインボー」を合体して歌うという案を考えたのは僕なんですけど、あの曲でシナリオすべてが変わったんです。シンプルだけど、誰もが驚くクライマックスを音楽で作ることが劇伴の到達点だと、僕は思いました」と明かした。

『gifted/ギフテッド』の音楽について監督は、「この映画の舞台は、セントピーターズバーグっていうフロリダの街なんだけど、その街の質感を再現できる音楽をつけるように努力したよ。実は、キャット・スティーヴンスの「ザ・ウィンド」を最後まで入れるのを悩んだんだ。あまりにもありがちだなって。でもこの映画は、映画が好きな人にも、馴染みがない人たちにも気に入ってもらえるように作りたかったし、この曲ならメアリーだって好きになってくれるんじゃないかなって思っていれることに決めた」と明かした。

mitoは「僕はシェールとティナ・ターナーの「シェイム、シェイム、シェイム」でメアリー(マッケナ・グレイス)とロバータ(オクタヴィア・スペンサー)でデュエットしているシーンが大好きですね。各キャラクターの緊張感が上がっていくなかで、それぞれの感情の差がうまくブレンドされていたと思います」とコメント。それに対し監督は「ここでは観客に一息ついてほしかった。通常の家族ではないけど、母親代わりのようにかわいがっている近所のおばさん(ロバータ)と、明るい生活で元気に育っていくメアリーの姿を感じてほしいと思ったんだ」と明かした。

『gifted/ギフテッド』マーク・ウェブ監督が来日 クラムボン・mitoと劇伴音楽のこだわりを熱弁

続いて、劇中で圧倒的な存在感を醸し出している子役のマッケナ・グレイスに話題が飛ぶと、監督は「クリス・エヴァンスとメアリーを演じることが出来る子役を見つけないとこの映画は完成しないと話していて、100人以上もの子たちとオーディションしたんだ。ある日部屋に入ってきたのがマッケナで、とても愉快な子だった。ホチキスを猫に見立てて遊んだりしてね。最後に、“泣き叫ぶシーンをやってもらおう”っていったら“5分ください”と言って部屋からいなくなったんだ。戻ってきたら、彼女はすでに出来上がっていて、感情を爆発させて大号泣してくれた。その時に“この子しかいない”と思ったよ。自分のなかにある大きな芯を、感情で表現することは大人でも難しい。まさに演技力でキフテッドがある子だと思う」と大絶賛。また、mitoも「マッケナちゃんは日本人受けする女の子ですよね。『アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングに似たような才能を感じます。劇中の彼女の演技は完璧で、完璧だからこそこの映画に活きるんですよね。すでにインスタで注目を集めているし、素晴らしい子役だと思います」とコメント。すると監督は「僕も彼女のインスタを見たよ。彼女の東京愛凄かったよね」と先日まで来日していたマッケナのインスタに触れ、笑顔になった。

また、観客からの質疑応答では、「“時間”を使った演出にこだわる理由」を聞かれ、「時間というものは人それぞれ認識の仕方が違う。映画は時間や記憶を描きやすい素晴らしいメディアだと思う。フラッシュバックしたり、時間を広げたり、凝縮したりね。『(500)のサマー』ではトムは目の前で起きたことを自分の記憶に即座に残していく。正直“時間”はあまり気にしていないかな。僕は人間の感情に興味を持っているし、これからも描き続けたいと思っている。よく“時間が解決してくれる”っていうけど、時間軸とは関係なく、他の要素で変わっていくものだと思う。恋愛や愛情といった枠の中での時間では、時間を超えた普遍性が存在しているようにね」と回答。

「『(500)日のサマー』のイケアデートのシーンが大好き」という感想に監督は、「イケアデートのシーンはとても長くて、こんなシーン分かってもらえるのかなぁって不安に思っていたから、そう言ってもらえて嬉しいよ」と答え、『(500)日サマー』のお気に入りシーンについて「スプリットスクリーンのシーンだね。観ればとわかると思うけど、あのシーンは技術的にとても難しかったんだ。すべての過程が大変だったけど、丁寧に作りこむことで、完成したときにうまくブレンドされて、やって良かったって充実感を得る事が出来た。ドアの開閉のタイミングや、音楽をかけたときのフィット感、すべてが最高だったよ」と語った。

最後に、mitoから「僕は、普段から着飾っているつもりはなくて、日常のなかにある2秒くらいの出来事を音楽にするためにクラムボンをやっているんですが、監督の映画に触れて、どの世界でも日常的なこと、つぶさなことをエンターテイメントにできる人がいるんだなって知ることが出来て、とても勇気づけられました。監督とはまた何か一緒に造れるといいな」。監督は「今日は来てくれてありがとう!この映画は僕がシンプルに映画を作りたいという気持ちから制作したんだ。ただ楽しい気持ちで、素晴らしいスタッフとキャストで作った。だからこの映画を観て、みんなにも楽しんでほしい!」と笑顔で締めくくった。
2017年10月13日
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『gifted/ギフテッド』
2017年11月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー
公式サイト:http://gifted-movie.jp/