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市川海老蔵は「絶滅危惧種の価値がある」 三池監督『一命』初日舞台挨拶で絶賛

一命

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三池崇史監督、市川海老蔵と瑛太主演による3D時代劇『一命』が15日(土)に初日を迎え、瑛太と満島ひかり、三池監督が東京・有楽町の丸の内ピカデリー3で舞台挨拶に登壇した。
市川海老蔵は「絶滅危惧種の価値がある」 三池監督『一命』初日舞台挨拶で絶賛

主人公の半四郎を演じた市川海老蔵はこの日、名古屋での歌舞伎公演のため欠席。三池監督は、「名古屋で暴れて来れないってわけじゃないよね?ちょっと心配…」と辛口ジョークで観客を笑わせながらも、「大丈夫、彼はちゃんとしてますから」とフォロー。舞台挨拶では、観客に向けて市川海老蔵から、「現代社会にも、「一命」で描かれるような不条理なことがたくさんあるかと思いますが、みなさまも、大切なものを守るため、立ち向かう強さと勇気をもっていただけたらと思います」といったメッセージが読み上げられ、続いて登壇者の3人にあてた手紙が披露された。

海老蔵から三池監督への手紙では、「監督、愛と刺激を与えて下さってありがとうございました。たとえ離れていても、私の心にはいつも三池監督がいます」。これに対し監督は、「居ないくせに、イイとこ持っていきますよね」と喜び、「彼はとても素敵な男です。市川海老蔵を知ってても、歌舞伎を生で見る事って少ないから、役者としての姿をなかなか観ることが出来ない。僕自身、今回がきっかけで初めて歌舞伎を観たくらいです。市川海老蔵は、スター性というか、絶滅危惧種の価値がある。『一命』ともども、市川海老蔵を楽しんで頂ければ」

また、現場での海老蔵について監督は、「(海老蔵の)中心には歌舞伎役者ってのがあって、それが映画の中でどうなじむか。時代劇は彼の得意とするフィールドで、僕らも時代劇を撮っているけど、みんながアウェーな状態。いつもと勝手が違っていながらも、自分の信じているものを周りに気を使ってバランスをとり、妥協していくんじゃなくてぶつかり合っていく。最初は、(海老蔵は)怖そうなのでスタッフもびびるんですが、彼のほうから溶け込んできてくて、だんだん「良い奴じゃん」となっていった。その環境を作ってくれたのは驚きでもあり、ありがたくもあった」と振り返った。

続いて、海老蔵から瑛太へ、「瑛太君の熱さには火傷しそうでした。次は仇役とかで共演したいですね」とメッセージ。瑛太は、「嬉しいですね」と満面の笑みを見せながら、「普通の現場では、「初めまして」の挨拶から始まり、距離感を少しづつ埋めていくが当たり前だったんですが、海老蔵さんは、目の前1cmぐらいまでいきなり来てくれた。「この人には何でも話して良いんだ、何でも見せて良いんだ」というような父性も感じて、「一生懸命演じたい」と心から思えた。海老蔵さんとの出会いは、自分の俳優人生の中でも大きな意味を持った。感謝したいと思います」と語った。

黒地に古典柄の吉祥柄、奈良しょっ紅錦の帯という着物で登壇した満島へは、劇中の役柄を踏まえ、「美穂。本当に不甲斐ない父親で申し訳ない。天性の才能をこれからも大事にして下さいね」。これに対し満島は、「“不甲斐ない父親”って…どういう風に受け止めれば良いんですかね。色んな意味でとれますけど…(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。撮影現場での海老蔵を満島は、「観ていてすごく爽快な方でした」と表現。「初めて現場で挨拶したのが、(海老蔵が)半四郎の姿で自転車に乗って京都の町へ飛び出していく瞬間でした。着物を脱いで楽屋の窓から手を振って「おはよう!」って言ってくれたり、色んな意味で楽しい人でした(笑)。接していく中で、“やんちゃ”な見てくれの海老蔵さんの心の中に、縮こまって座っている寂しんぼうの少年とかが見えたりして、すごく人間性があって素敵な方だなと思いました」とコメントした。

また、この日は、本作がフランス、ドイツ、スイス、ギリシャ、オーストリア、ロシアをはじめ世界41カ国での配給が決定したことが発表された。三池監督は、「日本映画として日本人にしか作れない世界でもある。多くの人というか、その中の一人でも深く感じ入ってもらい、その人が色んな時代劇や日本映画を探し、そこから観る人が広まってくれれば。知らないところで観客が生まれて、僕らが生かされることに感謝したい」と述べた。

最後に観客へ向けて、「三池監督が育てて生み出した作品が皆さんの心の中で、豊かに成長していって大きなものになってくれればいいなと思います」(満島)。「3Dで飛び出す海老蔵さんも、日本中の皆さんに観てもらいたいです。皆さんの心に残る映画になってくれれば嬉しいです」(瑛太)。三池監督は、「『一命』が興行的にも評価されると、色んなものを作る自由が生まれます。是非、スタッフとキャストに力をください」と訴え、作品をPRした。
2011年10月16日
『一命』
2011年10月15日(土)ロードショー
公式サイト:http://www.ichimei.jp