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西田敏行、「いつも忘れていないよ」映画を通して被災地にエール

遺体 〜明日への十日間〜

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2月23日(土)より公開される映画『遺体 〜明日への十日間〜』の特別試写会が開催され、メガホンをとった君塚良一監督、主演の西田敏行、種田義彦エグゼクティブプロデューサー、そして、本作で西田演じる相葉役のモデルとなった釜石市在住の千葉淳氏が舞台挨拶に登壇した。
西田敏行、「いつも忘れていないよ」映画を通して被災地にエール

映画『遺体 〜明日への十日間〜』は、東日本大震災発生直後の岩手県・釜石市を舞台に、犠牲者の遺体を搬送し、身元確認作業にあたった人々の戸惑いと葛藤を描いたドラマ。メガホンをとった君塚監督は、「震災の時は東京にいて仕事をしていたのですが、何もしていない自分に後ろめたさを感じている中で、石井さんの「遺体」(原作本)と出会いました。僕は脚本家としてこれを伝えることが出来ると思った。とにかく「伝える」映画だと思い、ありのまま起きた事実を描きました。嘘をつかず飾らず記録のごとく作るということを心がけました」と、映画化へのいきさつと本作に込めた想いをコメント。

主演の西田は、「最初はこれを映画化するのは如何なものかなという気持ちになりました。役者の演技が嘘っぽくて、原作が言いたいことがストレートに伝わらなくなってしまうのではないか、という危惧もありました」と述懐しながらも、「しかし監督と会って、映画化することによって役者の肉体を通して事実を伝えられるのではないかという思いに変わりました」と出演の経緯を語った。

また、群馬県の廃校で行われた撮影を振り返り、「美術のスタッフの方も涙を流しながらセットを作っていました。台本では靴を履いたまま遺体安置所にあがるんですが、どうしても西田敏行として靴を脱がないと、ご遺体のそばに行けなかったので靴を脱いだ。役を演じるという作為はどんどん消えていき、僕も追体験をさせてもらってるような気持ちでした」。さらに、共演者についても「子供の柩を運ぶシーンでは、志田(未来)さん自身がうちのめされているようで、志田さん自身が泣いているのか役が泣いているのか混沌としていてカオスの状態にいたんじゃないでしょうか」と現場での様子を明かした。

トークショーには、西田が演じた主人公・相葉のモデルとなった千葉淳氏も駆けつけ、裸足のシーンについて、「真っ白な気持ちでやって頂いたことに敬意を示したいです。実際はとても裸足で出来るような仕事ではないですが、私以上に仏さんの尊厳を大事にしていただいて、本当にありがたいという印象でした」と、感謝の気持ちを伝えた。

会場には、釜石市出身の東京都在住の方、被災地でボランティア活動をされた方々が招かれており、「俳優やテレビ局の方々が伝えられることは何百倍も大きいと思うので、被災地に力が注ぐようにして頂ければ」「とても胸が締め付けられた。できるだけ実家に帰って、家族に会おうと思った」「映画を見ることで、追体験させてもらいました。作ってくださって、本当に有難うございます」など、震災当時の想いや映画の感想が登壇者に伝えられ、西田が涙を拭う一幕も。最後に西田は、「今日、皆さんの話を聞いて、この映画を作って良かったと確信しました。東日本大震災の被災地の方々に、“いつも忘れていないよ”とメッセージを伝えることが出来ました。本当に有難うございました」と客席に語りかけた。
2013年2月20日
『遺体 明日への十日間』
2013年2月23日(土)より全国公開
公式サイト:http://www.reunion-movie.jp/