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吉田大八監督がApple Store,Ginzaに登場!『紙の月』で感じた女優・宮沢りえの凄さとは?

紙の月

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新作映画『紙の月』の公開を控える吉田大八監督が、15日(水)、Apple Store,Ginzaで行われた「Meet The Filmmaker」に登場。自身のフィルモグラフィーを振り返りながら、最新作について語った。
吉田大八監督がApple Store,Ginzaに登場!『紙の月』で感じた女優・宮沢りえの凄さとは?

世界各国のApple Storeで開催されている「Meet The Filmmaker」は、これまでメリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームス・キャメロン監督など世界的に著名な俳優や監督が登場し、その模様がPodcastでも配信。日本でも過去には山田洋次監督や岩井俊二監督をゲストに開催されてきた。

この日は、第27回東京国際映画祭(23日より開催)コンペティション部門に邦画で唯一選出された『紙の月』にちなみ、同部門のプログラミング・ディレクター矢田部吉彦氏がモデレーターを務め、吉田大八監督が自身の創作活動について、たっぷりと語った。

CMディレクターとして映像の世界でキャリアをスタートさせた吉田大八監督は、20年経って『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』で長編映画監督デビュー。「CMロケに行くときにいつも文芸集を買うんですが、そこに本谷有紀子さんの原作が入っていて、読み終わったあと『面白かった』というよりも映画が出来た気がしたんです」と語り、本谷氏本人に企画を持ち込み、一緒に仕事をしていたスタッフが乗っかってくれたことで、意外と順調に進んだというエピソードを明かした。

「映画作りをどうやっていいか最初わからなかったけれど、撮影が終わって編集をしてみて、ある程度の手応えは感じた」と、今の監督の地位を確立する布石が当時すでに出来ていたことを思わせる言葉に客席も納得の表情だった。

続けて『クヒオ大佐』『パーマネント野ばら』とヒット作を生み出し、どの作品にも「どこかで自覚しながらも勘違いをしている女性像」という共通性があるのでは、という指摘に吉田監督は「意図しているわけではないんです。現実とギャップがあるキャラクターというのは考えています。それに自分が男性だからかもしれませんが、男性より女性を描くほうが面白い。なんでもわかっている女性に対して怖れがあるのかも(笑)」と率直に語った。

本題の『紙の月』の話になると、吉田監督がさらに雄弁に。プロデューサーから企画が来たときには、「来たものを自分でどう打ち返すか」というのが自分のテーマと言い、「打ち合わせで無責任にしゃべっている間に自分の中で回路が出来上がった」という。

原作との違いに関して問われると「原作どおりだと回想が多くなって、映画として重くなると直感的に思ったんです。逆に銀行の中のシーンが多くなって、宮沢さん演じる梨花がどういう表情で、横領して破滅していくのかを見てみたかった」

続けて主演・宮沢りえについて、「宮沢りえさんという女優については一言で言い表せない。女優オーラがすごい」と言いつつも、「プロフェッショナルで、監督として信用してくれて、自分がどう映るかよりも映画として必要なことを完璧にこなしてくださった」と感慨深くうなづいた。そして宮沢の凄さが如実に表れたエピソードとして「梨花が普通の主婦から、銀行員としてパートから契約社員になって、横領に手を染めて、それがどんどんエスカレートして…と、彼女の表情の変遷が見て取れるんですが、順撮りできなくて、撮影しているときもなんとなくうまくいってる気がしたんですけど(笑)、編集でつないでみてビックリ!表情がちゃんとつながったいるんです」と語り、期待感をあおった。

「自分史上、最大に音楽を使っている作品」と、違う角度からのアピールもしつつ「自分の中でこういう作品と言いたくないんです。観る方によって違う作品になると思っているので、自分でも早く新しい『紙の月』に出会いたいです。公開したら、ぜひ観に来てください」と締めくくった。
2014年10月16日
『紙の月』
2014年11月15日(土)全国ロードショー!
公式サイト:http://kaminotsuki.jp