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『風立ちぬ』を最後に宮崎駿監督引退 ヴェネチア映画祭でジブリ社長が発表

風立ちぬ

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第70回ヴェネチア国際映画祭に出品されている宮崎駿監督最新作『風立ちぬ 』の公式記者会見が、現地時間1日(日)に行われ、スタジオジブリ代表取締役社長の星野康二と、同作のヒロイン・菜穂子の声を担当した瀧本美織が出席。宮崎駿監督が、『風立ちぬ 』を最後に引退することが発表された。
『風立ちぬ』を最後に宮崎駿監督引退 第70回ヴェネチア国際映画祭でジブリ社長が発表

日本から唯一のコンペティション部門出品作で、世界中に愛されている宮崎駿監督作ということもあり、記者席約270席ある公式会見場Palazzo del Casinò(パラッツォ・デル・カジノ)は、各国ジャーナリストも集まり大盛況となった。

星野社長は会見で、瀧本とともに『風立ちぬ 』のPRに努めた後、「ベネチア映画祭には過去に何度も招待して頂きました。宮崎駿はリド島がとても好きです。世界に大変友人の多い宮崎駿に関しての発表をこの場でさせて頂きます」と切り出し、「『風立ちぬ』を最後に、宮崎駿監督は引退することを決めました」と発表。この日の会見では引退についての質問は一切受け付けず、「来週、宮崎駿本人による記者会見を東京で開きます。くれぐれも皆さんによろしくということです」と続けた。

星野康二社長 ベネチア公式記者会見コメント
今回の作品は『崖の上のポニョ』から5年ぶりの作品で、日本で成功をおさめ(その勢いは)現在も続いています。“堀越二郎”について宮崎駿は若いころから研究をしていましたし、長い間彼の中で温めていたひとつのテーマだったのだと思います。ただ、本作をアニメーションにするという事に関して、決断に時間がかかりました。「アニメーションは子供も楽しめるもの」と思っていることが大きかったのです。改めて今回つくるのであれば、30年、40年と長い時間を描くことに挑戦してほしかった。大きな挑戦の作品だったのです。そして今回の挑戦は、ノンフィクションとして描くのではなく、一人の若者に光を当てて描くことになりました。震災・戦争・結核を描きながら、その当時どういうラブストーリーが菜穂子との間に生まれたのか。そのすべてが一人の若者に焦点を当てることにより描かれた映画になったと思います。ターゲットは、宮崎の場合は目の前にいる人全員だということは間違いない。ただ、2011年には震災がありました。景気も悪いです。過去の事を語るというよりは、その映画の中でどう現代と向き合っていけばいいか?本当のターゲットというのであれば若い人に向けた作品です。監督本人は、(「創造的人生の持ち時間は10年だ」という劇中の)台詞に関しては「ピークは10年間に違いない。だから自分の場合、そのピークの10年間はずいぶん前に終わったんだ」と言って、「ハハハ」と笑っていました。『ポニョ』『ハウル』『風立ちぬ』と、宮崎監督のエネルギーは、その泉はまだまだ枯れないな、というのが個人的な感想です。

瀧本美織 ベネチア公式記者会見コメント
ボンジョルノ。ピアチェーレ(はじめまして)。イオ・ソーノ・ミオリ・タキモト。この挨拶がどうしても言いたかったんです(笑)。宮崎監督は世界中から愛されていて、会えるだけでうれしかったのですが、菜穂子という役を頂き全力で演じました。昔の日本の時代描かれていて知らないことも多いので、鈴木プロデューサーから勧められて『キューポラのある町』などを参考にしました。映像、台本を見て、生きるのにつらい時代なのに、二郎さん、菜穂子さん、登場人物がつらい時代なのにいきいきと生きている人の姿に同じ日本人として勇気をもらえました。
2013年9月2日
『風立ちぬ』
2013年7月20日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://kazetachinu.jp