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映画『孤狼の血』完成会見 主演・役所広司「お茶の間に飛び込めない映像たくさんある」

孤狼の血

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2018年5月12日(土)公開の映画『孤狼の血』の完成を記念して、舞台となった広島にて記者会見とキックオフイベントが開催。主演を務めた役所広司、共演者の阿部純子、原作者の柚月裕子、そして白石和彌監督が登壇した。
映画『孤狼の血』完成 主演・役所広司「お茶の間に飛び込めない映像たくさんある」

映画『孤狼の血』は、第69回日本推理作家協会賞受賞、「このミステリーがすごい!2016年版」国内編3位に輝いた、柚月裕子原作のベストセラー小説を映画化したドラマ。物語の舞台は昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島。金融会社社員失踪事件を発端に、事件を追う警察と、対立する暴力団組同士の抗争を描く。

会見では、主演の役所が「広島・呉のみなさまにお世話になり、やっと映画が完成しました。映画が完成して初めての会見を広島でできたこと本当に幸せに思っています」と感謝の気持ちを語った。

白石監督は製作のいきさつについて、「東映のプロデューサーの方から、『仁義なき戦い』のような、東映が過去作っていた「エネルギーのある、勢いや力強さ」を映画に取り戻したいというお話しをいただきました。とても監督冥利につきる思いでしたし、そのプロデューサーの方々の熱量に自分が感染して出来た作品です。ただ過去の作品と同様の物を作り上げるのは難しいので、その中で何が出来るのかを考えました」

そんな監督の気持ちを受け止め、どのように役に取り組んだのかを聞かれた役所は、「監督と初めてお会いした時に、「近年の日本映画は元気がないから元気な映画を作りたい」と言われ、脚本を読みそのエネルギーを感じました。監督からテレビでは出来ないような演出を指示されることもありましたが、シートベルトをしなくていい、映画でしか出来ないことも多く、とても男らしい映画が出来たと思います」

役作りについては、「呉弁を撮影間近まで繰り返し練習し、言葉を体に染みこませて挑みました。大上に自分を近づけていくことが出来たので、呉弁は大きな味方でした。呉のみなさんに恥じないように頑張ったのですが、みなさんどうでしょうか?(笑)」と笑いを誘った。

そして原作にないキャラクターを演じた阿部は、「現場で呉弁を練習していたら、役所さんが私の台詞のイントネーションまで覚えてくださっていて、現場でフォローしてくれました。役所さんが演じる大上は頼りになる男性なのですが、今まさにここに「大上がいる!」と感じました 」と撮影を振り返り、劇中で描かれた昭和の女性像について、「男性社会の中でどのように女性が強くしなやかに生きてきたのか考えるために、『仁義なき戦い』を見て勉強しました。真木よう子さんしかり、男性の中で「かっこよく賢く生きる」女性はとても印象的でした」

原作者の柚月は、自身の小説が映像化された感想を聞かれ、「映画は圧倒されるぐらいの熱量で、いい意味で驚きました。活字でないと成り立たないミステリー要素の部分をどう表現するのかと思っていたのですが、「このように演出するのか」と、とても感動しました。キャストの方々はスクリーンの中とでは別人で、まさにプロでとてもすごいことなのだと、実感しました」

また、本作を広島でのオールロケで実施した決め手を聞かれた白石監督は、「実際に現場に来てまさに昭和63年の時代のような空気感を感じられたところが大きいです。また『仁義なき戦い』は呉を舞台にしながら、呉での撮影がほとんど出来てないので、何か一つでも『仁義なき戦い』のエネルギーをこの映画にもたらすには、オールロケでの撮影がひとつの方法なのではないかと思いました」と語った。

印象に残った撮影現場について阿部は、「撮影で使われた商店街がとても親しみやすく、ロケ現場と思えないぐらいでした。あとは広島焼きがおいしかったのが印象に残っています(笑)」と話し、役所は「呉の街はとても画になる街で、映画にするととても魅力的な場所だなと思っていました。撮影が休みの日はスーパーでお惣菜とか買ってました(笑)」と、広島での思い出を語った。

昭和63年という舞台設定については、「自分の撮る映画は「昭和っぽい」とよく言われるんですが、実際、昭和の男の背中を見て育ってきたので、大上の背中を「昭和の男」の象徴として描きました」と白石監督。役所は、「この作品の登場人物たちはそれぞれ「必死に美しく生きている」のだと思います。そういったところが映画全体の熱になっているのではないか。こういったギラギラしたものも映画のいいところだと思います」。柚月は「昭和は誰もが必死に「自分が信じるもの」に何かをかけて生き残ろうとした時代だと思います。ぜひ小説、映画からその雰囲気を感じていただき、みなさまの心に何か残すことがれきればと思います」と語った。

記者会見後には、映画完成後全国初イベントとなる、「キックオフパーティー」が開催。ロケ地となった呉市をはじめ広島の方々が会場に集まるなか、役所、阿部、柚月、白石監督に加え、俳優のさいねい龍二がトークショーに参加。映画の完成を祝い、広島県知事/湯崎英彦氏、広島市長/松井一實氏、呉市長/新原芳明氏も登壇し、映画『孤狼の血』にちなんで作られたオリジナルカクテル、「ブラッディウルフ」で乾杯した。

役所は、「完成した映画を観て、しばらくなかった映画が出来たという気持ちです。これからこういった作品がどんどん増えて世の中が活気づいていって欲しい。お茶の間に飛び込めない映像もたくさんありますが(笑)、普段出来ないようなキャラクターが出来るのが役者のいいところです。映画に出てくる男達がみんな生き生きしていました。そして呉弁があったからこそ、この土地に生まれた大上を演じることが出来ました」

白石監督については「昭和にこんな監督がたくさんいたなあというような、潔い素晴らしい監督でした」と語り、それを聞いた白石監督は、「今の言葉で天にも昇る気持ちですね!命を削って撮ろうと思った作品でした」とコメントした。

また映画を観た感想で「心が火傷した」とコメントした柚月は、「最初、役所さんが大上を演じると知って、小説よりも怖い大上が出来上がるのではないかと思いました。『仁義なき戦い』がとても好きで、いつかこういった熱い作品を書きたいと思っていました。映像と活字ではまた違った魅力があるので、「白石作品」として独立したものになっているなと感じました」

最後に役所は「映画はこれからいろいろな国や街で公開されますが、この広島から旅立っていくこの映画をかわいがってもらえればと思います」とメッセージを送った。
2017年12月28日
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『孤狼の血』
2018年5月12日(土)ROADSHOW
公式サイト:http://www.korou.jp/