ニュース&レポート

「見通しが悪い中でも決断できることがあるはず」堺雅人が熱いメッセージ

日輪の遺産

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイートする
  • Facebookでシェアする
8月27日(土)より公開される映画『日輪の遺産』の完成報告会見が行われ、スペースFS汐留(東京)に、主演の堺雅人をはじめ、福士誠治、八千草薫、佐々部清監督、原作者の浅田次郎が登壇した。
「見通しが悪い中でも決断できることがあるはず」堺雅人が熱いメッセージ

「鉄道員」「地下鉄に乗って」などで知られる浅田次郎の同名原作を映画化した『日輪の遺産』は、終戦間近の日本を舞台に、マッカーサーの財宝隠匿の任務を帯びた3人の軍人と、そこに勤労動員された20人の少女の運命を描いた戦争ドラマ。

原作者の浅田は、18年前の出版当時を振り返り、「初めて出版社から「好きに書いていい」と言われ、最後の作品かもしれないと思いながら書いたので愛着が強い作品です。戦争経験者ではない自分が戦争を書くのは僭越だが、知らないからこそ、きちんと伝えたいという気持ちで書きました。この場面で、こんな考え方をするのか、字句の使用はこれで良いのかと、恐くなり筆が止まったこともありました。こんなに立派な映画にしていただいてよかったです」と、感謝の意を述べた。

主人公の真柴少佐を演じた堺雅人は、「自分では上手く理解できないくらいの壮大な作品に参加させていただきました。完成した今でも、戦争という事件の大きさを咀嚼しきれない自分が居ますが、観終わった後には、何かを感じることのできると思います」と挨拶。帝国軍人という役柄について、「資料で調べても、生活者としての姿が最も見えにくい存在。だからこそ、きちんと自分に理解できる部分から、一つ一つ演じていこうと心掛けていました」と語った。

堺演じる真柴とともに極秘任務に就くことになる小泉中尉を演じた福士は、「頭のいい役で台詞も難しかったので、小泉という人物や台詞の理解度を高めるのが大変でした。現場に入ってからは、その場その場の素直な気持ちを一番に演じ、会話と心を通わせることで、小泉が出来たと思っています」。八千草は、劇中での役柄と自身の体験を重ね合わせながら、「ラストのシーンは今思い出しても涙が出ます。私は学徒動員に参加して、断熱材の機械作りや軍服のボタン付けなど、授業のない一年を過ごていますから、少女時代のことが思い出され、不思議な体験をしました」と振り返った。

物語で重要な役割を担った、20人の女学生のキャスティングについては、「哀しさを出したかったので、今時じゃない、昭和の雰囲気のある子をキャスティングしました」と佐々部監督。すると堺は、「20人の少女たちからの、まっすぐな目に応えてお芝居するのはプレッシャーだった。彼女たちのまっすぐさにはかなわない」と振り返りつつ、「一度、食事をご一緒する機会があったのですが、オフの時とのギャップにも驚きました(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。

また、最後に堺は、「見通しの悪い時代に、自分たちの判断で出来ることをやり、それで人の価値が決まるような気がします。僕にとって“いま”というのは、これまでにないくらい見通しが悪いですが、その中でもやれること、決断できることがあるはず。当たり前のことですが、いまの状態をしっかりと受け止めて、やれることをやることが必要だと思います。この作品を観て、こんな日本人もいたんだな、という参考にしていただけたらと思います」と力強くメッセージを送った。
2011年4月20日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
『日輪の遺産』
2011年8月27日(土)、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
公式サイト:http://www.nichirin-movie.jp/