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池上彰が語る“テロの盲点” 映画『パトリオット・デイ』トークイベント

パトリオット・デイ

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6月9日(金)より公開される映画『パトリオット・デイ』の特別試写会が開催され、ジャーナリストの池上彰と、ボストンに留学経験のある関根麻里がトークイベントに出席した。
池上彰が語る“テロの盲点” 映画『パトリオット・デイ』トークイベント

本作は、2013年4月15日に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の、犯人特定から逮捕までの驚くべき事件の裏側を描いた実録サスペンスドラマ。ボストン警察、FBIはもちろん、ボストンのごく普通の市民ら“知られざる英雄たち”が全員一丸となってテロリストに立ち向かい、わずか102時間という短期間での犯人逮捕にいたるまでを描いた感動作。

映画の感想を聞かれた池上は「この事件そのものが印象深くて、当時はずっと追いかけていたので、実際の事件を思い出しながら見ました。それでも、こうやって犯人を割り出したのか!と驚く部分もあり、非常にリアルで興味深かったですね」と語った。

2006年までボストンに在住し、エマーソン大学を主席で卒業した経歴を持つ関根は、ボストンマラソン爆破テロ事件当時を振り返り「第一報を聞いた時は日本で朝の情報番組の仕事をしていましたが、ただただショックでした。ボストンマラソンの日は一年で一番たくさんボストンに人が集まる日で、ボストンは大学もたくさんある平和な町なので、まさかテロが起きるなんてと驚きました」。そして映画については「テロのシーンは胸が痛くなりました。でもそれだけじゃなくて、犯人逮捕にむけて、市民がひとつになって団結する姿に感動しました」と感想をのべた。

昨今、世界中で発生しているテロ事件について解説を求められた池上は、まず先日マンチェスターで発生したテロ事件に触れ、「コンサートから出てくる人を対象にした自爆テロは、警察からすれば完全に盲点だったんです。コンサートは大勢の人が集まるので、入場時は警察がたくさん集まり、金属探知機などを使いセキュリティ対策をしっかりする。でも、終わって出てくるところは警備を全然しない。そこを狙ったテロだったので、テロ対策関係者は深刻に受け止めているそうです」と解説した。さらに映画には、ボストン市警、MITの私設警察、FBIなど様々な警察機関が出てくることに触れた上で、「爆発が起きただけではテロとはわからない。FBIが何に気が付いてテロと決定したのか、それに注目して見て欲しい」と映画の見どころを伝えた。

イベントでは、池上が関根に「パトリオット・デイ」や「ボストンレッドソックス」の正しい英語の発音を度々リクエスト。中でも「レッドソックス」の発音は、「この映画を楽しむ伏線になりますよ」と、これから映画を観る観客の期待を高めた。

フォトセッションに移っても池上の解説は止まらず、「2013年のこの事件はボストン警察の広報のやり方も大きく変わるきっかけになりました。ツイッターで市民から犯人の情報を集めたり、どこそこを追跡中です、という情報を警察のオフィシャルアカウントか発表するようになったんです。ニュース番組がボストン市警のツイッターを紹介するという、今までにない警察広報の形が、この事件をきっかけにできたんですね」と明かした。

最後に池上は「大きなイベントはテロの標的にされやすい。東京オリンピックにもマラソンはあるので、けしてボストンマラソン爆弾テロ事件は他人事ではないですよね。そういう問題意識を持ちながら見ていただければ」と締めくくりイベントは終了した。

イベント終了後は、関根の囲み取材が行われた。池上さんとのやりとりを振り返り、「いつもとても興味深いし、勉強になります。それだけじゃなくて、そこにユーモアも混じっているのでおもしろいですよね」。記者から、「最近関根家で起きた事件」を聞かれると、「(1歳半になった娘が)お腹を下してしまい、抱っこしていた自分も大変なことになって、お風呂に入りなおしたことですかね」と育児の苦労を語った。もちろん日々の成長を見ているのも楽しいと明かし、「でんぐり返しができるようになって、「できた!」と自分で言えるようになったのがかわいかった」というエピソードなどを披露。「すいません親バカで…」と笑顔を見せた。
2017年5月31日
『パトリオット・デイ』
2017年6月9日、TOHOシネマズ スカラ座他にて全国公開
公式サイト:http://www.patriotsday.jp