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渡辺謙、マシュー・マコノヒーの“生歌”リクエストを笑顔で拒否!熊本へもメッセージ

追憶の森

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マシュー・マコノヒー×渡辺謙共演、富士の樹海を舞台に描いた映画『追憶の森』の公開を前にしたプレミアイベントが行われ、主演の渡辺謙が登壇。マシュー・マコノヒーからのビデオメッセージとともに、撮影の裏話を語った。
渡辺謙、マシュー・マコノヒーの“生歌”リクエストを笑顔で拒否!熊本へもメッセージ

満席の会場から大きな拍手で迎えられた渡辺謙は、「シリアスな映画ではあるけど、ふと立ち止まって、初夏の風の匂いなどを感じてもらえるような映画です。本日ご覧いただけることを本当に嬉しく思います」と挨拶。本作の出演オファーが来たときの心境を「オファーがきたときは、東日本大震災のときだったんです。この映画は死生観なども反映されている作品なので、そのときは、それを背負いきれる心の余裕がなく、お断りしました。でも、一昨年にまたオファーをいただいて、そこでガス(・ヴァン・サント監督)が決まったと聞いて、その後マシューも決まって、じゃあ受けようということになったんです」と語った。

初のタッグとなったガス・ヴァン・サント監督については「彼の映画を観て、なんとなくとても繊細で、ボソボソとしゃべるような人なのではと思っていたんですが、実際は全然違くて、ザ・職人といった感じの人でした」といい、現場での様子について「ロケーションマップに番号がふってあるんですけど、その順番をサイコロで決めよう!とかいう人なんですよ!」と暴露。青木ヶ原の樹海を舞台にした本作では、看板の文字チェックなども行っていたという渡辺だが、「スタッフが、森に落ちているお菓子の空き袋とかも用意してくれていたんだけど、その中にハングルのものも交じっていたりしたので(笑)、それを教えてあげたり、森の入口にある鳥居の文字は僕が書いたものなんです。その文字を元にスタッフがつくったんですよ」と明かした。

その青木ケ原の樹海で、マシュー・マコノヒー演じるアーサーと渡辺演じるタクミが偶然出会い、そこからふたりが出口を求めて、<旅>が始まる本作。残念ながら仕事の都合で来日がかなわなかったマコノヒーからこの日、ビデオメッセージが到着。

渡辺との共演は念願だったと話すマコノヒーは「ケンと一緒に頑張った作品を見てもらえるのは幸せです」とコメント。渡辺の印象について「ケンとの共演は楽しかった。ケンには独特の雰囲気がある。自分が何者かをよく分かっているね。だから君からは威厳を感じるんだろう、王様のようだよ」といい、続けて「しかも非常に面白い。あんなにユーモアがあって愉快な人とは知らなかった。撮影の合間の笑い話で気持ちが和んだよ」と撮影中のエピソードを披露。

それをうけ渡辺もマコノヒーの印象について「似てるタイプの俳優だと思っていました。きっちり準備していくというよりは、この映画に関しては、その場で生まれるものを大切にしたいと思っていたんです。マシューは、的確に拾って返してくれますし、やりやすかったです。お互いプロだと感じました」といい、続けて「撮影は現場まで2,3キロ離れているんだけど、撮影でお互いびしょ濡れで疲れている中、そこまで歩いていかなければならなくて、夜中に2人で懐中電灯をそれぞれに渡されてトボトボと歩いていたら、靴の音だけクチャクチャと響きわたっていて(笑)俺たちなにやってんだろうって思わず2人で笑ってしまったことがありましたね」と撮影での思い出を振り返った。

続くマコノヒーのビデオメッセージでは、役作りの為、二人が撮影前に意図的に会うのを避けていたというエピソードも披露。それはあまり上手くいかなかったそうで、最初のテイクは使わなかったという。これについて渡辺は「現場で初めて会う状況をつくるためにスケジュールを調整してもらったけど、僕たちは野生動物のようなところがあるので、ものすごくエモーショナルになりすぎてしまって…あまり良いシーンにならなかった」と説明した。

また、東京での撮影も行った本作で、”渋谷”の印象について「ものすごい数の人がいてにぎやかだった」とマコノヒー。しかし、世界的なハリウッドスターであるにも関わらず、存在に気づかれなかったというマコノヒーは、「僕に気づいて振り返ったのは300人中1人程度だ。もし君が渋谷の交差点を歩いていたら、300人中299人が気づいただろう。“ケン!”と歓声が上がったりしてね!役名は“タクミ”だし現場が混乱したはずだ!」とジョークを交えながらコメント。日本には夫人同伴で訪れたマコノヒーは、渡辺が豪華な夕食に招待してくれたことを「感動的なもてなしだった。日本でも君の真心を感じたよ。おかげで日本での撮影が気持ちよく始められた」と振り返った。

また、劇中で渡辺が歌声を披露しているのも注目シーンのひとつで、マコノヒーは「いまいましいほど歌が上手なんだよ。みんなは聴いたことある?聴きたい?」と煽るが、渡辺は「風邪を引いているから…」と拒否!マコノヒーのユーモアたっぷりのコメントと笑ってスルーする渡辺の姿に、会場が笑いに包まれた。

マコノヒーは「今度 君と共演する時はアクション映画をやるより一緒に歌って踊りたいね、ミュージカルをやろう。デュエットするんだよ。きっと楽しい共同作業になる」とオファー。メッセージでは最後に、渡辺に孫が生まれることへの祝福の言葉や日本のファンへコメントを寄せた。

マコノヒーからの長いメッセージを全て聞き終わった渡辺は「僕のことをユーモアがあるといっていましたけど、そっくりそのままマシューに返すよ!」いい、劇中で披露する歌については「作品の内容に合わせて自分で英訳して歌いました。現場で、今度「王様と私」をやるんだっていったら、えーと笑われたんだけど、あれはマジかよって感じで思っていたと思いますよ!」とコメントした。

最後に、観客に向けて「今回の熊本での震災や難民問題やテロなどが様々な問題が多発する中で安住の地はどこにあるのんだろう、どうやったらそこへ辿りつけるんだろうと、みんな悩み続けていると思います。その中で、どうやって死というものを受け止めるのか。どうやって大切な人を自分の中に生かし続けさせるのか、ガスが優しく描いています。この映画は、ふと立ち止まってみてもらいたい映画です。こうしなければいけないとかこうあるべきだと、今世の中でがんじがらめになっていることが多いと思うんです。だけど、一旦立ち止まって、今自分の周りには誰がいるのか、誰が支えてくれるのかを確認し、ゆっくりと歩みを進めていただける作品となっていると思います」とメッセージを贈った。
2016年4月27日
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『追憶の森』
2016年4月29日(金・祝)ロードショー
公式サイト:http://tsuiokunomori.jp/