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22年ぶり新作『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』製作会見 後藤久美子も銀幕復帰

男はつらいよ50 おかえり、寅さん

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第1作の公開から50周年を迎え、シリーズ50作目となる新作が発表された『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』(仮題)の製作会見が行われ、山田洋次監督をはじめ、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、後藤久美子、夏木マリ、浅丘ルリ子らキャストが登壇。さらに公開日も2019年12月27日(金)のお正月興行での全国公開決定も発表された。
22年ぶり新作『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』製作会見 後藤久美子も銀幕復帰

1969年8月27日に第1作が劇場公開された映画『男はつらいよ』シリーズ。1997年公開の第49作『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』以来、実に22年ぶりの新作となる『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』(仮題)は、先日10月20日にクランクインし現在撮影中。

山田洋次監督は、「撮影が進んでいる中で、記者会見をやっていただき、興奮させられております。寅さんという映画は、ある人が“映画を見に行くというよりも寅さんに会いに行くんだよ、映画館にね”とスクリーンを通して、渥美清を見に行くのではなく、渥美さん演じる寅さんの活躍やセリフの先にある、人間はいかに自由であることが素晴らしいのか、あらゆるものから解放されてのんびり生きることがどんなに大切かを映画から巡り合える作品で、それを寅さんに会いたいという言葉で表現していることに納得した。思い返してみれば、それをテーマにして僕らはこの映画を作っていて、今回集大成となる映画にできればと思います」と熱い想いを語った。

寅さんの妹・“さくら“こと倍賞千恵子は「またさくらに会えるとは思っていなかったですし、まさかと思いました。ただ今日衣裳をつけてセットに入って本当にちょっとホっとしました。これからどうなるのかが楽しみです」と語り、さくらの夫・“博”こと前田吟は「4人の孫が寅さんが大好きで、”じいちゃん映画館でみせてくれ!“という言葉を実現できて安心しております。孫に恥じぬよう一生懸命頑張りたいです」と喜びを噛み締めた。

寅さんをおじさんにもつ“満男”こと吉岡秀隆は「平成の世も終わろうとしている秋の空の下で、監督の一言、一言をつむぎながら、道しるべにして寅さんを探す旅にみんなで出ている気持ちです。僕らの旅が無事に終わるよう見守ってください」と穏やかな口調で語った。

23年ぶりの銀幕復帰、満男の初恋相手・“イズミちゃん″、(今作ではイズミ・ブルーナ)こと後藤久美子は「みなさま、ご無沙汰しております。また山田組に呼んでいただけたのはとても光栄で、嬉しい気持ちでいっぱいです。敬愛する大好きな渥美清さんに想いを馳せながら、思い出話を咲かせながら、撮影を続けております。どうぞみなさまお楽しみに」と久しぶりに銀幕復帰の想いを胸に一言。

第43作「寅次郎の休日」のマドンナ、イズミちゃんの母・”礼子″こと夏木マリは「今回はイズミちゃんが登場ということでもれなくついてくるということで宜しくお願いいたします(笑)。この20数年、礼子さんは何をしていたのだろうと思って妄想しているのが楽しい時間です」と笑顔でコメント。

寅さんが最も想いを寄せたマドンナ・“リリー″こと浅丘ルリ子は「私はまたリリーさんをやれると思っておりました。ずーっとリリーさんは仕事をしながら寅さんを想いながらずっと一人でいるんだって、2日間撮影をさせていただいて、しばらくぶりにみなさんにお会いできて、とても懐かしいです」とそれぞれが新作への想いを語った。

『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』


また、ストーリーについては、山田監督が「この第50作の物語の幹は満男が20数年ぶりにイズミに再会して、もう一度恋の炎が燃えあがるけれども、それぞれが家庭を持っている中で葛藤しながら別れていく、それが主軸になっていきます。その満男が思春期から大人へ成長する中で寅さんというおじさんがいたことで満男はどんなに救われたかわからないし、おじさんの役割や大切さを今にして思う。そういう思い出をスクリーンの中に展開できればと思います」と新作への構想を語った。

マドンナ3人への質問「ご自身の思う寅さんはどういう方ですか?」には、後藤が「寅さんは大きな背中で大きなこころですべてを包み込んでくれる大好きなおじちゃま」、夏木は「よく話をきいてくれる寅さん。聞いてくれるだけでとても穏やかになる存在」、浅丘は「リリーはなんで寅さんと一緒にならなかったんだろうって、あんな素敵な人はいません」と寅さんへの熱い想いを語った。

また、23年ぶりのスクリーン復帰となる後藤は、本作への出演について「自宅に山田監督からお手紙が届きまして、こういう作品を作りたい。だから君が必要だと、どうにか考えてもらえないだろうかと長い手紙を読んでいる時に山田監督の『男はつらいよ』という作品への大きな愛情と新作への情熱というものをひしひしと感じられて手紙を読み終えるころには、はいと一つ返事で行くしかないという想いでした。久々というのはなくて、“おかえり”、“ただいま”という感覚です」と語った。

吉岡は「改めて今作へのお気持ちと寅さんから教えられたことがあれば」という質問に、「寅さんに言われた「いつでも困ったことがあったらおじさんの名前を呼んでくれ、いつでも飛んでくるからな」って言葉がどれだけ(自身にも満男にも)救いになっていたか。今回、この話をいただいた時、初めて空に向かっておじさんの名前を呼びました(笑)なかなか現れてくれなくて、平成の風はゆったりしていて、まだおじさんの耳には届いていないのかなと現場で感じています」と語った。

倍賞と前田は、それぞれクランクインの感想を「とても楽しいセットであそこの部屋にみんなが入るだけで、畳に座るだけでわくわくするなという気持ちで撮影していました。満男と話していると後ろにお兄ちゃんの気配を感じられて、柴又に行った時や監督の後ろにも感じられて「お前、馬鹿やっているんじゃないよっ」って言っている気がしております」(倍賞)、「23年のブランクは全く感じませんでしたね。すーっと溶け込めました。たまたま今日はおいちゃんはいないと思って撮影しておりました。その気持ちでやらさせていただいております」(前田)と自然と撮影現場へ入れた旨を語った。

夏木は山田組への熱い想いを「役者としては演じることを頑張る体質だったのですが、山田組を経験したことで礼子さんを演じるのではなく、礼子として生きるということを教わって、自身の中で役者をやることの試金石になっていて原点回帰です。そんな山田監督との出会いでした」と語った。

そして山田監督は、「若い人たちにも見れば必ず何かを感じてもらえるだろうと思います。ある時は大笑いしたり、ある時はほろっと泣いていただいたり。一生懸命に作ればきっと若い人たちも見てくれるだろうという思いです。心の中では今の若い方たちに寅さんを知ってほしいという思いは強いです」と語り、それぞれの想いが詰まった会見は和やかな雰囲気に包みこまれて幕を閉じた。
2018年11月1日
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