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是枝監督最新作『海よりもまだ深く』がカンヌ映画祭で上映 阿部寛、真木よう子がレッドカーペットに登場

海よりもまだ深く

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開催中の第69回カンヌ国際映画祭で、「ある視点」部門に正式出品された、是枝裕和監督最新作『海よりもまだ深く』が18日(水・現地時間)に正式上映され、主演の阿部寛、樹木希林、真木よう子、是枝裕和監督がレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。
是枝監督最新作『海よりもまだ深く』がカンヌ映画祭で上映 阿部寛、真木よう子がレッドカーペットに登場

5月16日(月・現地時間)にカンヌ入り、海外プレスの取材を受けるなど、多忙な時間を過ごした監督、キャスト達。18日(水・現地時間)に行われたフォトコールでは、青空の下、是枝監督はじめ、Berluti(ベルルッティ)に身を包んだ阿部寛、グッチのワンピースを纏った真木よう子、そして独自のスタイルがひかる樹木希林が登場。世界から集まったスチールカメラマンたちの前で、笑顔でフォトコールに参加した。

カンヌ国際映画祭参加は初となる阿部は、「街全体が祭りのような状態で、すごく楽しんでいます。今晩の公式上映でどういう反応が返ってくるかは予想がつきませんが、楽しみたいと思います」。真木は「前回(『そして父になる』)のときはドシャ降りのカンヌだったので、街を全然歩けなかったのですが、昨日歩くことができて、歴史のある建物がたくさんある街で、とても美しいなという感想を持ちました。街全体がすごく盛り上がっていますし、こんな中で上映されるということにドキドキしていたりもしますが、楽しみにしています」とコメント。

樹木は「もう出来上がっていますので、ただみんなと一緒に観ます!」。是枝監督も「マーケット試写を観てきた記者の方たちと取材のときに話したら、意外とみんなちゃんと笑ってくれているようでした。日本と同じようにクスクス笑いながら、後半はちょっとしんみりとしっとりとそういう展開になってくれればなと思っています」と上映に向けて抱負を語った。

直前にフォトコールをおこなっていたアカデミー賞受賞監督であるウィリアム・フリードキン監督(『フレンチ・コネクション』、『エクソシスト』)が、是枝監督に挨拶に来る場面もあるなど、是枝監督の世界からの注目度の高さが感じられる一幕も。

是枝監督最新作『海よりもまだ深く』がカンヌ映画祭で上映 阿部寛、真木よう子がレッドカーペットに登場

レッドカーペットでは、大勢のマスコミや観客があふれる中、是枝監督、ベルルッティのタキシードに身を包んだ阿部寛、アルマーニのロングドレスにショパールのダイヤのイヤリングを着用した真木よう子、海と鶴の柄をあしらった着物に真っ赤な鯉がデザインされた帯を締めた樹木希林が登場。

上映前の舞台挨拶では、阿部が「是枝監督作品は2作目ですが、いつか是枝さんの作品でカンヌに来れることを夢見ていました。今日は楽しんでいってください」と挨拶。樹木は「今はゆとりのある顔をしていますが、上映が終わったらすぐに逃げられるように準備しております」と話し、会場を沸かせた。

上映中は、阿部演じるダメ息子の良多と、樹木演じる母・淑子の会話シーンなどで度々笑いがおこるなど、日本の団地を舞台にした家族の物語は、しっかりと世界の観客の心に届いたようで、上映後は是枝監督や出演者たちに向けて、約7分間にもわたるスタンディングオベーションが続き、阿部は時々手を振ってそれに応えるなど、温かい空気に包まれた。また会場外でも海外のファンに囲まれ拍手や賞賛コメントを浴び、好評のうちに公式イベントを終えた。

日本メディア向け囲み取材


Q:上映が終わってみていかがですか?
是枝監督:上映が終わった後のお客さんたちの表情がとてもあたたかく優しくて感動しました。
阿部:初めて来ましたがこれだけの多くの客さんが拍手をしてくださって、それが鳴り止まなくて、本当に感動しました。
真木:今回2度目なんですが、また温かい拍手に包まれて、反応が予想をはるかに超えて良かったので、とても嬉しかったです。
樹木:初号試写に続き、作品を観るのは2度目でしたが、監督が何か粉を撒いたんじゃないかと思うくらい、みんな上手に見えました!

Q:レッドカーペットを歩いた感想は?
阿部:あの広さはすごい。やっとここに立てたなと思いました。是枝組で立てて本当に嬉しかったです。初めてのカンヌですが、感動しました。
是枝監督:手を振ってあっちを向いたりこっちを向いたりするのは恥ずかしいけれど、あの場は女優さんのためのものだと思うので、みんなのために頑張りました(笑)でもあそこを歩くのはちょっといい経験だなと思います。

Q:カンヌ映画祭自体をどう思いますか?
是枝監督:ここが一番厳しいとおもいます。作品に対しても、セレクションに対しても、審査に対しても、批評に対しても。皆真剣に映画に向き合って2週間を過ごす場所です。これだけ拍手とブーイングが交錯する場は他にはないので、貴重な経験ができます。この緊張に耐えられる作り手でありたいと改めて思える場です。
樹木:私はもう外に出て行くような人ではないので、もっと若い人たちに、この映画祭に是非一度は来て欲しいと思います。
真木:カンヌにはありがたいことに2回来させてもらっていますが、他の映画祭を知らないので・・・。今回、自分がすごく良い作品だと思っているものを、他の国の皆さんにもあれだけあたたかく受け入れて頂けて、本当に作品をよく見てくださっているんだなと嬉しかったです。
阿部:是枝監督が本当にすごく愛されているんだなと痛感する映画祭ですね。今回の作品に出演できて、カンヌで上映していただけたので、これを機会に僕の顔も覚えて頂けたら嬉しいなと思います!

Q:上映後の感想は?
是枝監督:感動したとか、とても良かったとか、温かい言葉をたくさんもらいました。
阿部:みなさんの笑顔が素晴らしいので、その笑顔がすごく嬉しかったです。
真木:素晴らしい作品だったと言っていただきました。
樹木:私の場合、言葉がわからないだろうと思うから、みんな、ただただ「ありがとう」と言われたわ。

Q:上映中、笑い声があがるシーンが多かったですが、いかがでした?
是枝監督:泣かれるより嬉しいです。より登場人物を身近に感じてくれた証拠だと思うので、言葉が悪いけれど、してやったり!と思ってしまいました(苦笑)
樹木:それは言葉がダメね。もっと監督は良い言葉を選ばなきゃ。でも伝わったなって思えたわね!
是枝監督:この映画の笑いが伝わるかがずっと気がかりだったので、安心しました。
樹木:台本からして台詞がすごく良かったですから、それが伝わったんじゃないかしらね。

Q:カンヌ初参加の阿部さんは、何か初体験はありましたか?
阿部:お客さんと一緒に映画を見れたというのが、本当に良い経験でした。受け入れて頂けて嬉しいですね。
樹木:じゃあ、この映画をターニングポイントにしてまた変わるわね。成長しちゃうわね。阿部さんは団地より、カンヌの風景の方が似合うわ。ビシーっとハマってたわ。

Q:団地のカンヌデビューでもありますね。日本の団地はどのように伝わっているでしょうか?
樹木:うーん、あの狭さはどう思われたのかしらね?
是枝監督:全然大丈夫だったみたいですね。今回は伝わるか伝わらないかをあまり気にせず、狭く深く描いていった作品だったのですが、きちんと描けば必ず伝わると思っていたので、それを今日の上映で実感しました。
郷土愛が強いタイプではないんですが、自分の地元がカンヌで上映されると、さすがにちょっと感慨深かったですね。団地センターとか(笑)
樹木:あそこに19年間住んでいたんだから、えらいわよね。

Q:海外のプレスから、あれは一体何なんだ?と聞かれたシーンはありますか?
是枝監督:今のところないんです。カルピスについてとか聞かれるのかなと思ってたんですが、今のところ一つもないです。

Q:狭い団地に、ひときわ大きい阿部さんをキャスティングしたのは、狙い?
是枝監督:団地を前提に阿部さんを選んだわけではないです(笑) でも台に乗らずに天袋を覗けるのは素晴らしいなと思いましたよ。でも、あくまで阿部さんが先です。
2016年5月19日
『海よりもまだ深く』
2016年5月21日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー他 全国ロードショー
公式サイト:http://gaga.ne.jp/umiyorimo