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モントリオールのトロフィーを掲げ、原田監督と役所広司が喜びの受賞報告会見

わが母の記

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第35回モントリオール世界映画祭にて審査員特別グランプリを受賞した『わが母の記』の原田眞人監督と役所広司が、1日(木)、京都市中京区の大江能楽堂で会見を行い、受賞の喜びを語った。
モントリオールのトロフィーを掲げ、原田監督と役所広司が喜びの受賞報告会見

映画『わが母の記』は、作家・井上靖の自叙伝的小説を元に、役所広司、樹木希林、宮崎あおいら豪華キャストで描いた家族の絆の物語。現在、原田眞人監督と役所広司は、映画『わが母の記』と連動した企画のテレビドラマ「初秋」を京都にて撮影しており、その撮影現場から、届いたばかりのトロフィーを掲げて受賞報告会見に臨んだ。

原田眞人監督役所広司
ドラマの撮影のため、映画祭へ出席できなかった原田監督は、代理で出席した息子・遊人からの「審査員特別賞ゲット」というメールで受賞を知ったと語り、「(はじめは)ピンとこなかったんです。そうしたら、樹木(希林)さんから電話が入り、「喜びなさいよ!大きい賞ですよ。(紹介されたのが)最後から2番目ですよ」と。1番気になっていたのが観客の反応だったのですが、素晴らしかったという話を聞いた時点で、涙が出てきました」と喜びをかみしめた。

役所は、初めての海外映画祭への参加が、原田監督との『KAMIKAZE TAXI』(95年公開/バレンシエンヌ映画祭【仏】で、審査員特別賞と監督賞を受賞)だったことを振り返りながら、「日本映画を世界中の人たちが観てくれる光景を見て、また海外映画祭に参加したいと思っていました。(受賞発表後に)希林さんと電話でお話したんです。クールな方なんですけれども、あの時はかなりテンションが高くて、希林さんの声から現地の興奮が伝わってくるような感じがしました」。また、本作が評価されたポイントとして、「世界中どこの国に行っても、母親に対する思いは同じ。言葉は通じなくても母親を思う気持ちと、心が通じ合う喜びというのは、世界的に共感していただけると思っていました」と話した。

本作が撮影を終えたのが、3.11の大震災の前日。原田監督は、「取り終えたその日(3月10日)は、気分が高揚していました。関わったスタッフ・キャストみんながハッピーな1日だった。翌日(3月11日)から都内のスタジオで編集作業に入り、その時に地震に遭いました。日々テレビから流れるニュースを見ながら、涙を流していました。その想いが、この映画にもこもっていると思います。この映画がどれだけ悲しみにあった人に癒しをもたらすことができるかわかりませんが、未曽有の大災害から立ち上がる中で必要なのは、家族の絆だと思います」

役所もまた、「『わが母の記』は心のケアになるような映画だと思います。映画を作っている人間として、この映画を通して震災に合われた方にも元気を届けられたら。そして、これからもそんな想いを意識してつくっていきたいと思います」と、震災を経ての映画作りへの思いを語り、「最近大人も楽しめる映画が少なくなっていると思います。映画はビジネスですから、たくさんの人に来てもらって、ヒットして、ビジネスとして成功しなければならない。しっかり噛みしめて、じんわり深いもの、50年後に観ても楽しめる映画も作り続けなくては、と思います」と話した。
2011年9月2日
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『わが母の記』
2012年4月28日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://www.wagahaha.jp