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第35回モントリオール世界映画祭『わが母の記』公式上映 樹木希林も映画祭に急遽参加!

わが母の記

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第35回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門へ出品された『わが母の記』が公式上映され、原田眞人監督の長男で、本作の編集担当の原田遊人(ゆうじん)が記者会見に出席。夏休みでカナダを訪れていた樹木希林も急遽参加した。
第35回モントリオール世界映画祭『わが母の記』公式上映 樹木希林も、映画祭に急遽参加!

映画『わが母の記』は、作家・井上靖の自叙伝的小説を元に、原田眞人監督が映画化。役所広司、樹木希林、宮崎あおいという豪華俳優陣が出演し、10年にわたる家族の物語をとおして、「愛し続けることの素晴らしさ」「生きることの喜び」を描いていく。

8月27日(土)朝11:20(現地時間)から行われたプレス上映では、一般の観客も含め、819席が満席の状態。上映中はところどころで笑いが起き、エンドロール開始時点から自然と拍手が沸き起こり、約5分間に渡る暖かい拍手が続いていたという。

その後行われた記者会見では、原田遊人(編集担当)が、原田監督のメッセージを代読。「この作品は、自分のキャリアの中で、もっとも重要な作品になりつつあります。60歳になり小津安二郎を、そしてイングマール・ベルイマンを、ようやく再発見することのできた自分、という点が少し。そしてこの作品は、原作者である井上靖、ベルイマン、そして小津の中に生きる母親像についての意識、という点が決定的に大きかったと感じています」と、本作に寄せる思いをコメントした。

さらに、「この作品は、あなたとあなたのお母様たちに捧げます。できれば、作品を見に来て下さったあなたたちにこの場で直接挨拶をしたかった。そして、1996年にモントリオールで撮影をした『栄光と狂気』という作品のスタッフ・キャストと旧交をあたためたかった」と、映画祭に出席できなかった無念をにじませるコメントを送った。

質疑応答では、記憶が薄れていくという難しい役柄に挑んだ樹木へ、役作りについて質問があり、樹木は、「正常なときと不安定な時の差と言うのは、何も難しいことはなくて、それは私が普段からそうだからなのです」と会場を笑わせた。そして、「『年寄りはこうだろう』と想像して演じるのは大きな間違い。年寄りは動きや歩くのがとても速かったり、さーっと行動する人もいる。こういう部分は絶対に入れなくてはいけないな、と思ってました」と語った。

また、がんを患った経験が演技に及ぼした影響について質問された樹木は、「病気をしたことによって、人の弱さというものが以前よりわかるようになった。それが今回の役に活きたかどうかは定かではないですが。人間は死というものを常に背中合わせに持っているのだ、ということを感じ、死は日常である、ということを表現しようと思いました」と回答した。

この日、21:30から行われた公式上映では、夜の上映にも関わらず、話題を聞きつけた幅広い客層が参加し、エンドクレジットとともに大きな拍手が沸き起こった。場内で鑑賞していた樹木と原田は、鳴り止まぬ拍手に感慨深げで満足そうな表情を見せ、上映終了後は大勢の観客に囲まれ、握手とサイン攻めにあっていた。
2011年8月29日
『わが母の記』
2012年4月28日(土)全国ロードショー
公式サイト:http://www.wagahaha.jp