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映画『母との約束、250通の手紙』ピエール・ニネ オフィシャルインタビュー

母との約束、250通の手紙

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フランスの文豪ロマン・ガリによるベストセラー自伝小説「夜明けの約束」を、シャルロット・ゲンズブール&ピエール・ニネ共演で映画化した『母との約束、250通の手紙』が1月31日(金)より公開。フランスを理想化するユダヤ系ポーランド人移民の母親と、その母からフランス大使にして大作家になる将来を託された息子、第二次世界大戦下の混沌とした時代に翻弄されながらも、強すぎるほどの絆で、互いの存在だけを頼りに生き抜いた親子の愛を描いた感動作。この度、主演のピエール・ニネのオフィシャルインタビューが到着しました。
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──エリック・バルビエ監督の作品に関わる前に、小説 「夜明けの約束」のことはご存知でしたか?
ピエール・ニネ:僕は、「夜明けの約束」をはじめ、彼のその他の作品を読んだことがあったんだ。でも映画の準備として読み直した時、ロマン・ガリの作品で再発見があったんだ。独特の独創性があって、知性で読者を驚かせるんだ。僕はガリのユーモアが大好きなんだよ。彼は、自暴自棄なものの言い方をすることは決してない。彼のそのユーモアが、彼の人生のドラマであり、同時に彼の作品の出どころでもあるんだ。ガリにはいつの時にも笑いもドラマも絶望もふんだんにある。僕は、「夜明けの約束」を通して、自由と人権の国であるフランスに対してロマンと母親が抱いていた無条件で立派な愛を再発見したんだよ。その意味で、この本は絶対的に現代にも当てはまる。ユダヤ系ポーランド人が迫害を受けて自国を後にし、フランス人になることを必死で目指す物語だからね。 彼は文字通り戦ってこの夢を実現させ、20世紀で最も偉大なフランス人作家の一人になるんだ。
──ロマン・ガリの役を演じないかという誘いがエリック・バルビエ監督からあったとき、まずどんなことを思いましたか? ガリが小説の中で作り上げるこのキャラクターをどのように表現しましたか?
ピエール・ニネ:僕は「夜明けの約束」からの鮮明なイメージを覚えていた。最初に読んだのは僕が10代のときだったんだけど、その時点でこの作品は映画的だと思った。でも僕にとって最も説得力があったのは、作品全体を通して伝わってきたエリック・バルビエ監督の情熱だった。彼はもう何年も前からこの映画を作りたいと思っていた。この類い稀であり、国境を超える絆で結ばれたこの母子を描きたいと思ったらしい。

僕には、役に関して先入観はなかった。でもロマン・ガリの人生について知るに従って、仕事と人生という彼の二重のアイデンティティーに惹かれたんだ。『母との約束、250通の手紙』 は、紛れもなく自伝なんだけど、現実を大きくも小さくも変えて作り上げたという要素を含むんだ。だからそれは、脚色の過程と監督の目を経たガリの役を僕が作りあげるということを意味した。だからロマン・ガリを演じるというよりも、エリック版の人物を発見することだったんだよ。
──小説を読んでも映画を見ても、観客の頭から離れない問いが一つあるんです。それは、ロマン・ガリの母親のような親を持つことは祝福なのか、呪いなのか、ということです。あなたはどう思いますか?
ピエール・ニネ:難しい質問ですね。ここで答えられるほど簡単な質問ではないと思う。二人の絆はとても強力で、狂気じみていて、情熱的で、破壊的であると同時に建設的でもある。その絆がガリの真髄なんだ。これがあるから「夜明けの約束」はきわめて重大で啓示的な本なんだよね。それは、ロマン・ガリのような作家の深いところにある欲望がどこから派生しているかを語っている。彼の生命力もだ。

確かなのは、彼を真の意味で比類ない人物にしたのは、彼の母親だということなんだ。普遍的な視点から見たら、僕らはみんな親から、特に母親から受け継ぐのだということをこの物語は伝えているんだと思う。それはいい面もあるが、辛い面もある。「母親の愛で、人生は、夜明けに守れない約束をする・・・」というこの引用の中に全物語が入っているんだ。

2020年1月30日
『母との約束、250通の手紙』
2020年1月31日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国公開
公式サイト:https://250letters.jp